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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

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政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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ホテル使用拒否 司法をないがしろにする行為だ(2月3日付・読売社説)

■前便同様、『多文化・多民族・多国籍社会で「人として」』の記事から、「「プリンスホテル新高輪事件」で考える、東京都知事と「企業の社会的責任」」に触発されて。■表題どおり、『読売』の社説から。

ホテル使用拒否
 司法をないがしろにする行為だ
(2月3日付・読売社説)

 司法の判断に従わなくとも構わないという理屈がまかり通れば、社会が成り立たない。

 日本教職員組合の教育研究全国集会(教研集会)が都内で始まったが、全体集会が中止になった。会場になるはずだったホテルが「日教組の予約は解約した」と主張し、使用を拒んだからだ。

 東京地裁、東京高裁は、「解約は無効で、使用させなければならない」と命じたが、ホテルはこれに従わなかった。

 日教組が毎年1回開く教研集会には、2000~3000人が参加する。1951年から57回に及ぶ教研集会で、全体集会の中止は初めてだ。
 裁判所が認定した事実によると、日教組は昨年3月、グランドプリンスホテル新高輪に会場の使用を申し込んだ。その際、例年、教研集会の会場周辺では右翼団体の街宣活動があり、警察に警備を要請していることも伝えた。契約後、日教組は会場費の半額を支払った。

 ところが、11月になってホテル側が突然、解約を伝えた。

 ホテルが契約後、過去の例を独自に調べた結果、100台を超す街宣車の拡声機による騒音や大規模警備で、他の利用者や住民に多大な迷惑をかけることが分かったため、というのが理由だ。

 だが、ホテルが右翼団体による妨害を恐れ、筋の通らない理屈で解約を正当化してまで集会を中止させれば、右翼団体の思うつぼである。

 裁判所が指摘したように、ホテルは日教組や警察と十分打ち合わせ、混乱を防ぐ努力をすべきだったのではないか。

 ホテルが今回、恐れたのは右翼だったが、左翼側の“威圧”で講演会の主催者が講演を中止した例も少なくない。

 1992年に、評論家の上坂冬子さんが月刊誌で憲法改正に言及したとする社会党(当時)などの抗議で、新潟市主催の憲法記念集会での講演が中止となった。97年には、ジャーナリストの櫻井よしこさんも、「従軍慰安婦」問題での発言を巡り、「人権」を掲げる団体の抗議で主催団体が講演を取りやめた。

 異なる立場の意見でも、発言する自由を最大限認めるのが、民主主義社会である。憲法で保障された「集会の自由」「表現の自由」が脅かされてはならない。

 ホテル側は、「極めて短時間で十分な審理、理解を得られないままなされたもので、大変残念」としている。

 だが、ホテル側は裁判の係争中なのに、会場には既に別の客の予約を入れていた。司法をないがしろにする行為は許されまい。一流ホテルには、それにふさわしい社会的責任が求められる。

(2008年2月3日01時19分 読売新聞)

------------------------------------------------
■保守派メディアとしては、論理的破綻のない論理展開だとおもう。■何度ものべてきたとおり、保守派とは、既存の政治経済体制・文化の護持を基調とする思潮なのだから、体制維持装置の一部にほかならない裁判所の判決を全否定するような主張をすること自体、自己矛盾そのものなのだ。■保守派というより、右派勢力の相当部分は、判決について、「左派的な偏向をふくんだものがふえてきてけしからん」といった反感をもっているようだが、裁判所が反体制派弁護士たちがよろこぶような判決をくだしてきたなんて事例なんてないとおもうぞ。単に、政府などがムチャクチャをやっていたので、「さすがに法治国家の番人としては、みすごせない」という判断をしめしてにすぎないと。
■でもって、問題は、司法判断の尊重とか、表現の自由の擁護といった次元で、『読売』をはじめとした保守系メディアが終始一貫した姿勢を護持できてきたかどうかだね。■この点について、実に興味ぶかい文章が検索でひっかかった。


読売、お前もか!
2008/02/03 10:56


 教研集会「仮処分拒否」問題のつづき。
 昨日の各社社説では、当然のごとく左翼メディア3紙だけがそれを扱っていて、中道右寄りの読売、右翼の産経は触れていなかった。
 しかし、今朝になって読売が批判的に書いてきた。
 曰く、
「ホテル使用拒否 司法をないがしろにする行為だ」
「司法の判断に従わなくとも構わないという理屈がまかり通れば、社会は成り立たない」
 それはその通りだ。
 だが、薬害肝炎の司法判断の時、同じ主張を断固として言ったか?
 下された「司法判断」をそれこそ「ないがしろ」にして、
   07年12月14日付け読売社説「肝炎和解案 首相が決断する時だ」
   07年12月21日付け読売社説「肝炎和解案 解決へさらに知恵を」
と主張したではないか。
 三権分立の建前から言ったら、これは全くおかしかった思う。
 首相に対して「粛々と司法判断に従うべきで、先代の赳夫首相のときのような『超法規的判断』をしてはならない」と諭した上での主張ならばわかる。
 だが、とんでもない。「司法判断を無視せよ」と強要しているにひとしい言いがかりではないか。
 それを棚にあげて、今回の「仮処分拒否」問題を「司法をないがしろにする行為だ」とはよく言えたものだ。
 我々は騙されないぞ。
 ただ、朝日、毎日、東京とは違って「救い」はあった。
 社説後半で、上坂冬子氏の憲法集会講演中止、桜井よし子氏の慰安婦問題講演会中止を取り上げ、左翼の「威圧」も許しがたい、としたのは良かった。
 こういう左右バランスを考えた配慮は、左翼メディアには絶対にない。

------------------------------------------------
■一見もっともらしいことをいっているようにみえるが、ちょっとかんがえると、おかしな議論を展開している。意識的にやっているなら、ずるがしこすぎるし、無自覚なら「やっぱりなぁ」といった感じ。

■①前述したとおり、今回の『読売』の社説は、この文章にかぎっていえば、一貫した論理性をたもっていて破綻がない。■しかし、「左翼側の“威圧”で講演会の主催者が講演を中止した例も少なくない」と、読売の論説委員はおっしゃるが、うえにあげられた2氏以外のケースをあげられるのか? という疑念。■また、先日の、「被害者のシェルターへの保護は家族を破壊する」などとDV防止法を批判している」「市民団体」とやらの圧力に屈して、ドメスティックバイオレンス関連の講演を中止においこんだ自治体などは、にたようなケースがたくさんあるが、『読売』などの保守系媒体はそれを逐一報道してきただろうか? かりに報道してきたにせよ、今回と同様の論理でもって、自治体を批判するような論陣をはってきただろうか?

■②したがって、『読売』の今回の社説は、今回にかぎっていえば首尾一貫しているが、過去の姿勢との関連でいえば矛盾にみちているという「経験則」が、よくわかる。■であれば一層、うえの批評のように、

「司法の判断に従わなくとも構わないという理屈がまかり通れば、社会は成り立たない」
 それはその通りだ。
 だが、薬害肝炎の司法判断の時、同じ主張を断固として言ったか?
 下された「司法判断」をそれこそ「ないがしろ」にして、
   07年12月14日付け読売社説「肝炎和解案 首相が決断する時だ」
   07年12月21日付け読売社説「肝炎和解案 解決へさらに知恵を」
と主張したではないか。
 三権分立の建前から言ったら、これは全くおかしかった思う。
 首相に対して「粛々と司法判断に従うべきで、先代の赳夫首相のときのような『超法規的判断』をしてはならない」と諭した上での主張ならばわかる。
 だが、とんでもない。「司法判断を無視せよ」と強要しているにひとしい言いがかりではないか。
 それを棚にあげて、今回の「仮処分拒否」問題を「司法をないがしろにする行為だ」とはよく言えたものだ。
 我々は騙されないぞ。

などと、いきりたつのは、全然理解にくるしむ。■もともと、『読売』などのメディアにおける「司法の尊重」なんてのは、そのときの文脈次第でもちだす、恣意的なとりあつかいにすぎない。■「表現の自由」しかり。『読売』などのメディアが、たとえば東京都で、日の丸・君が代の入学式・卒業式などへのもちこみに反対する教員が処分された件について、「思想信条の自由」とか「表現の自由」などの見地から擁護したことをみたことがないし、東京都などの処分や、それを是認した裁判所の決定に批判的見解を展開したこともよんだ記憶がない。

■③むしろ、『読売』の論説委員たちが、みずからの政治的見解からして軽蔑しきっている日教組であろうと、「思想信条の自由」「表現の自由」の見地にそって、いつなんどきでも擁護するなんて、到底信じる気になれないし、たとえば裁判所が日の丸・君が代反対派の教員が処分されたことを違法とみとめた地裁判決を当然視するとはおもえない(「保守系媒体の教育論2(読売の国旗・国家論)」)し、上坂冬子氏や櫻井よしこ氏と同列に「内閣府の専門調査会委員でDV被害者支援に取り組む平川和子・東京フェミニストセラピィセンター所長」の講演の権利を死守せよ。圧力団体に屈したつくばみらい市は猛省せよなどと、批判を展開するとは信じられない(笑)。
■つまり、「我々は騙されないぞ」といった批判の論理は、むしろ、われわれのような論陣から、なげかけたいものだ(笑)。くりかえしになるが、「『読売』の論説委員たちが、みずからの政治的見解からして軽蔑しきっている日教組であろうと、「思想信条の自由」「表現の自由」の見地にそって、いつなんどきでも擁護するなんて、到底信じる気になれない」。である以上、今回のホテル批判・司法擁護は、上坂冬子・櫻井よしこ両氏など保守派論客はもちろんのこと、右派的な暴言をくりかえす石原都知事のような危険人物の言動までも、「思想信条の自由」「表現の自由」の形式援用で擁護しようという姿勢の道具にすぎないのではないか?「我々は騙されないぞ」ってね(笑)。


●「保守系媒体の教育論2(読売の国旗・国家論)」 
●「右派のみなさんは、思想信条の強制を当然視している」 

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産経の真意は、いかに

プリンスホテルに3億円支払い命令 日教組集会使用拒否で
2009.7.28 15:03

 グランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)が昨年2月に予定されていた日教組の教育研究全国集会の会場使用などを拒否した問題で、日教組や組合員がプリンス側に慰謝料など計約3億円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求めた訴訟の判決が28日、東京地裁であった。河野清孝裁判長はプリンス側に請求通り約3億円の支払いと全国紙5紙への謝罪広告掲載を命じた。
 判決によると、日教組は平成19年5月、グランドプリンスホテル新高輪と使用申し込み契約を結んだが、プリンス側は同年11月に契約を解除した。日教組は会場の使用を求めて仮処分申請し昨年1月に東京高裁が会場使用を認める決定を出したがプリンス側は従わなかった。
 問題をめぐっては、教研集会参加者の宿泊予約を合法な理由もなく取り消したとして、警視庁が旅館業法違反の疑いで、プリンスホテルの社長や総支配人計4人を書類送検している。

朝日・社説

教研集会拒否―ホテルが負う重い代償

 右翼の街宣車が集まり、耳をつんざくような大音量で演説を繰り返す。一種の暴力だ。それに屈せず、社会の自由を守るために皆が力を合わせたい。あらためて、そう考えさせる判決がきのう、東京地裁であった。

 被告はプリンスホテル。訴えたのは日本教職員組合(日教組)だ。同社が経営する都心のホテルは、昨年の日教組の教育研究全国集会に会場を貸すことと参加者の宿泊を引き受けていた。

 だが、右翼の街宣活動などがあれば宿泊客や周辺の迷惑になるとして、契約を一方的に破棄した。裁判所は、きちんと警備すれば大丈夫だという日教組の訴えを認めて会場を使用させるよう命令したが、ホテル側はこれも拒否し、全体集会は開けなかった。

 判決があったのは、この損害賠償を求める民事裁判だ。地裁は日教組の主張を全面的に認め、約2億9千万円の賠償と謝罪広告の新聞掲載を命じた。

 右翼の街宣活動は教研集会のたびに行われてきた。集会を妨害するだけでなく、会場を貸す側にも圧力をかけ、開催できなくさせようという意図があったと考えるのが自然だ。それにホテルが屈してしまった。

 会場貸しの契約破棄どころか、法令に反して参加者の宿泊も拒み、さらに裁判所の命令まで無視するというのは尋常ではない。企業の社会責任をまったく放棄するものであり、経営者の責任は極めて重い。

 同時に指摘したいのは、街宣車の無法ぶりだ。それが人々を怖がらせ、結果として言論、表現の自由などが侵害され、社会が萎縮(いしゅく)する。警察による厳しい取り締まりが必要だ。

 迷惑がる気持ちも、分からないではない。ホテル周辺の中学校長からは、おかげで入試が円滑にできたと感謝する手紙がホテルに寄せられたという。

 ただ、圧力に屈して自由が引っ込むような社会が、子どもに対して胸を張れるものでないことは確かだろう。

 集会などの会場が外部からの抗議で使用拒否になる事例は少なくない。教研集会が中止された2カ月後には、中国人監督がつくったドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映を予定していた映画館が中止するという事態も起きた。

 こうしたことが続くと、今の日本は自由に集い、自由にものを言える社会なのか、疑問に思えてくる。

 ホテルに会場使用を命じた裁判所は「日教組や警察と十分打ち合わせをすれば、混乱は防げる」と指摘していた。実際、今年の広島市での教研集会では、初日に街宣車が集結したが、警察が取り締まると激減した。

 戦うのは勇気のいることだ。ホテル業界の雄でもあるプリンスホテルが、もっと断固とした姿勢を示してくれればと、残念でならない。


■記事の方も。

プリンスホテルに約3億円賠償命令 日教組集会使用拒否
2009年7月29日1時24分

 全国にホテルを展開しているプリンスホテル(東京都豊島区)が日本教職員組合(日教組)の集会への会場使用を拒否した問題をめぐる訴訟で、東京地裁(河野清孝裁判長)は28日、日教組側の請求をすべて認め、約2億9千万円の支払いと謝罪広告の新聞各紙への掲載を同社側に命じる判決を言い渡した。

 プリンスホテル側は「認定は納得できない」などとする談話を公表し、控訴の方向で検討するとした。

 日教組は、08年2月の「教育研究全国集会」(教研集会)の会場とするため、07年10月までに「グランドプリンスホテル新高輪」(港区)の宴会場の使用や参加者向けに190室の宿泊契約を結んだ。ホテル側は同年11月、「右翼の街宣などで周囲に迷惑がかかる」として解約を主張し使用を拒否。日教組側が使用を認める仮処分を求めた。東京高裁は「ホテル側が日教組や警察当局と十分打ち合わせることで混乱は防止できる」として、使用予定日の2日前にホテル側の抗告を棄却する決定をしたが、ホテルは拒否を続けた。51年に始まった教研集会で初めて全体集会が中止される事態となった。日教組側は、プリンスホテルと同社の取締役12人を相手に提訴していた。

 判決は、日教組の求めに応じて会場使用を認める仮処分命令を東京地裁が出し、東京高裁も抗告を棄却したのにプリンスホテル側が従わなかった点を厳しく非難。「命令に従うことなく、日教組の使用を妨げた。司法制度の基本構造を無視するもので違法性は著しい」と述べた。同社の渡辺幸弘社長に対しても「日教組に会場を使用させる義務があることを認識しながら、悪意でその職務を怠り、損害を与えた」として、会社法上の損害賠償責任を負うと認めた。

 そのうえで「参加者が、様々な意見に接して人格を形成、発展する集会に参加することは法律上守られる利益だ」として、1889人の組合員1人あたり5万円の慰謝料請求も認めた。

 プリンスホテルの宿泊拒否については、警視庁が09年3月、ホテルと渡辺社長ら幹部4人を旅館業法違反の疑いで書類送検している。


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