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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

前ブログ: 『タカマサのきまぐれ時評

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「ゼロベース」で沖縄からベース(基地)をゼロに(その2/環境編)【なごなぐ雑記】

■「「ゼロベース」で沖縄からベース(基地)をゼロに【なごなぐ雑記】」で紹介した記事「(その1)」の続編が、はやくもでた。



「ゼロベース」で沖縄からベース(基地)をゼロに(その2/環境編)

 辺野古への新基地建設は、生物多様性および種の保存の観点から、重大な環境破壊であると国際社会からも懸念されている。

 最初に建設ありきの方針で進めてきたために、環境影響評価法をはじめ、日本国が持つ環境に関する法・政策の根幹が揺らいでいる。

 在日米軍基地を新設してあげるために、沖縄では異常な状況が続いている。「環境」の側面から問題をできるだけ簡潔に整理してみる。

【辺野古沿岸域の自然環境】
 辺野古沿岸域の自然環境に関する最低限の情報を押さえておく。

・名護市辺野古沿岸域は沖縄県の「自然環境の保全に関する指針」で、「評価ランク1」に分類される自然度の高い場所である。
・辺野古沿岸域のリーフの内側には沖縄島最大の良好な海草藻場が広がり、日本国の天然記念物であり国際保護獣であるジュゴンをはじめ希少種が育まれている。
・2008年には国際自然保護連合(IUCN)が三度目となる「ジュゴン保護決議」を行なっている。
・辺野古崎北側の大浦湾には新たなアオサンゴ群集が発見されている。(2007.9)
・辺野古沿岸域のリーフおよび平島・長島などの無人島は、地域の人々にとって貴重な共有財である。

【環境アセス】
①基本的問題

 日米地位協定第三条に基づき、事業で造られる基地の管理・運用権は排他独占的(=外務省解釈)に米軍側が有している。

 環境アセスを行なう事業者である日本国政府・防衛省は、供用開始後の機材等について詳細情報を有しておらず、なおかつ運用等に責任を持てる主体ではない。日本国が主権国家であるのかさえ疑わしい「日米地位協定」の持つ問題の根幹がここに露呈している。

 これでは、環境影響を評価できるわけがないのが道理である。無理が通れば道理が引っ込むの常で、新基地建設の環境アセスは政府の行為で法の根幹が陵辱されている。

②デタラメなアセスの進め方

 辺野古沿岸域への新基地建設の環境アセスでは、手続きの最中(2008,1)に150ページもの「追加方法書」を出すなど、アセス法第28条に基づき「方法書」を最初からやり直すべきところを無視して書き直しで処理した。

 事業者はわずか1年で調査終了を宣言(2009,3)し、5400ページに及ぶ「準備書」を公表。準備書への意見書は、6000通近くに上った。

 現在は「追加調査」などと称して、「準備書」公告以降に関わらず、複数年調査を求める専門家の意見に対するアリバイの如き調査を続行している。

 事業の一体的な一環であり、環境アセス対象に含まれるべきシュワブ陸域における建物の取り壊しや建設を、環境アセスとは関係なく強引に進行中である。

 あまりにもズサンな環境アセスの進め方に関して、2009年8月にはアセス手続きのやり直しを求める行政訴訟が起こされている。

 事業者である防衛省(沖縄防衛局)は、アセス手続きの最終「評価書」を、沖縄県へいつでも出せる状態であると報道されている。


【ジュゴン裁判とJEGS】

 米国政府は辺野古への新基地建設の環境問題に関して、責任主体は日本政府だが米国政府としては環境に配慮し協力していくというロジックで言い逃れ、IUCNのような国際会議でも発言し続けていた。

 2003年9月、米国の「国家歴史保存法」に基づいて、カリフォルニアで起こされた「ジュゴン裁判」では、2008年1月に同法を域外適用して「ジュゴンへの影響を考慮していない米国の行為は違法」であると判決が下された。米国側の「新基地建設は日本政府の行為であり米国は関係ない」という論法は破綻した。米国は主体的にジュゴン保護に関するプロセスを実行しなければならない。

 外務省が公表している在日米軍の「日本環境管理基準」(JEGS)によると、日米の環境に関する法律の内、より厳しい基準を選択するとされている。サンゴや海草藻場を破壊するキャンプ・シュワブでの水陸両用車の訓練のありさまをみていると、JEGSの規定どおりに環境管理がなされているとは到底信じられないが、在日米軍の訓練の実態が検証される必要がある。

【小括り】

 1996年のSACO合意に端を発し、辺野古への新基地建設問題が始まる。たしかキャンベル氏だったと思うが「狭い籠に卵を詰め込みすぎた」という発言に象徴されるように、この計画は都市化した中南部の米軍基地を過疎地である北部に分散・集約することで、沖縄の米軍基地の自由使用を続けるための策であった。

 過疎地は過疎地であるがゆえに、1972年以降の振興開発体制下の凄まじい開発から免れた希少で良好な自然環境が残る。辺野古沿岸域はシュワブをはじめ米軍への提供水域であったがゆえに、さらに開発から逃れてきたという側面がある。

 沖縄県が「評価ランク1」として、厳正に保護されるべき自然環境としている地域に、米軍基地を新設しようと企図したことがすべての間違いの始まりである。日米両政府がそのような間違いを冒したのは、沖縄の米軍基地を未来永劫、自由使用できる軍事基地として残そうという意図に起因する。

 思えば、SACO合意の「海上ヘリポート」が撤去可能であったのは、その意図を隠蔽ないしは希釈するための方便であったのかもしれない。

 しかし、13年も経て、政府と協力姿勢にあった沖縄側の条件まで棄てた現在の新基地建設計画では、いかなる方便も通用しない。日米の沖縄米軍基地の自由使用を永続させるという方針は露呈し、破綻寸前に追い込まれている
といっていい。



 長くなったわりには、まだまだ触れ切れていない細部がたくさんありますが、「環境問題」の概括をこれで終えます。事業者側の強引なボーリング調査への海上阻止闘争を貫徹した民衆の命がけの行為には触れていませんが、それらの粘り強く徹底した行為がなければ今日の状況はさらに酷いものであったことは火を見るより明らかです。次回は、その他諸々情報を整理しようと思っていますが、まだ主題は考えていません。

 思いがけず、前回エントリが好評だったので、ちょっと無理して急いで(その2)をアップしましたが、次回は来週かな?と思います。

Peace Philosophy Centre
渡瀬夏彦の「沖縄 チムワサワサ 日記」
 前回エントリは上記二つのブログに紹介されました。乗松聡子さま、渡瀬夏彦さま、ありがとうございました。

 


《関連サイト》

 関連サイトはたくさんありすぎて、私も把握できていないのが現状です。しばらくしたら、事業者側の一次情報先も整理して下記に追加していきます。

WWFニュース・2010国際ジュゴン年スタート!
WWFの活動/ジュゴンの保護活動

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■ハラナ個人としては、ジュゴン等、自然環境ウンヌン、といった論理は、このまない。生態系(動植物)をふくめた「自然環境」を、ダシにして、政治的主張を展開しているような気がするからだ。■皮肉ないいかたを、あえてするなら、ジュゴンの死活問題を、おのれのことに準ずるような次元で、日々心配している人物が、それほどいるとはおもえない。坑道の「毒ガス検知」用カナリアみたいな動員ってのは、結局、人間至上主義をかくしたエコ・ファシズムのたぐいじゃないか?…といった感じでね。

■しかしである。「事業者側の強引なボーリング調査への海上阻止闘争を貫徹した民衆の命がけの行為には触れていませんが、それらの粘り強く徹底した行為がなければ今日の状況はさらに酷いものであったことは火を見るより明らか」という、宮城さんのサラっとした指摘は、政府自民党が近年くりかえしてきた権力犯罪の本質をみごとについている。そして、その背後にまわってきたアメリカ政府は、昨年うまれたオバマ政権が安保体制をブッシュ政権からそっくりひきついだように、琉日列島を軍事植民地化しつづけようという欲望も、そっくりひきついでいる。それら、米日両政権の偽善的姿勢は、あたかも「環境に配慮」してきたかような演出(ポーズ)に、端的に露呈しているのだ。■ジュゴンをふくめた現地の自然環境はもちろん、現地住民の日常生活の質なんざ、“NIMBY”よろしく、全然かんがえていない米日両国民を代表・象徴するのが、米日両政府である、という本質を、わかりやすく あぶりだすためには、ジュゴンという呪文は、端的でよろしい。環境保護派による反対運動の是非はともかく、現地の自然環境現地の自然環境はもちろん、現地住民の日常生活の質なんざ カケラも真剣にかんがえたことのない、米日両国民のうすぎたなさ、権力犯罪をみごとにスルー、というか、無知のままでとおせる、「お気楽極楽」ぶりは、「ジュゴンが かわいそう」といった、おなみだ頂戴的な論理でないと、あぶりだせない、ってことでもある。

■つまりは、ホンネ・本質がどこにあろうと、そして偽善的であろうと、自然環境保護派の論理の方が、圧倒的に上質であって、米日両国民と両政府は、倫理的に俗悪そのものの集団・組織であることは、何度でも再確認しておく必要がある。■アメリカ軍の海兵隊のオニーチャンたちがくりかえしてきた暴力やら、米軍機の爆音・落下物といった、もろもろの「迷惑」は、米日両国民・両政府の倫理水準のあらわれであって、軍組織内部での綱紀粛正といった「ひきしめ」では、どうにもならない問題なのだ。海兵隊が「なぐりこみ部隊」という、自衛とは全然無関係な暴力装置であるがゆえに、組織内部には、訓練時点から構造的問題がかかえこまれており、組織が駐留すること自体が「巨大迷惑施設」以外のなにものにもなりえないからだ。「本土の防衛が任務に含まれない外征専門部隊であることから「殴り込み部隊」とも渾名される」(ウィキペディア「アメリカ海兵隊」)という簡潔な記述は、沖縄に四半世紀以上米軍を駐留させるのがよいとぬかした昭和天皇ののろいのような発言(“天皇メッセージ”)とあわせて、何度もかみしめられるべきだ。■「日本(極東)の安全保障」とか、エラそうにぬかす連中は、アメリカ海兵隊のオニーチャンたちと友好関係をむすべるのだろうから、さっそく基地誘致運動を展開せよ。


■そして、いいかわるいか別にして、自然環境を「ウリ」にした「観光立県」にしてきた「沖縄県」としては、ジュゴン・サンゴに象徴される環境水準は、実は今後の経済的基盤として、死活問題だということでもある。■「あすくっていくことが重要」という、せっぱつまった状況の住民には、いうべきことばがみつからないが、中長期的に、観光資源をどうするのかは、かならず現地の経済基盤にはねかえる問題なのだ。


●『沖縄・辺野古海上基地の問題を中心に maxi's_page
●「〈辺野古移設反対〉の虚々実々」『海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊
●Google検索“天皇メッセージ”
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●日記内「綱紀粛正」関連記事
●旧ブログ「平良 を含む記事
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