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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

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政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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足利事件再審過程での検察・メディアの不可解

■旧ブログ「可視化 を含む記事」、および「警察・検察が つきつけられる「全面可視化」」など、「可視化」関連記事の続報。


<足利事件再審>●●さんテープ 否認後再び「自白」、号泣
1月22日12時17分配信 毎日新聞


 栃木県足利市で90年、4歳の女児が殺害された「足利事件」で無期懲役の判決を受け、昨年6月に釈放された●●●●さん(63)の再審第5回公判が22日、宇都宮地裁(佐藤正信裁判長)で開かれ、●●さんが足利事件を否認した翌日、検事の取り調べに再び自白する様子を録音したテープが再生された。

 1審公判中の92年12月8日の録音で、約5分間の雑談の後、当時は宇都宮地検検事だった森川大司(だいじ)氏は「君から変なことを聞いたんで来た」と切り出した。「DNA鑑定で君と一致する精液があるんだよ」「唾液(だえき)も付いてるんだよね。いろんな意味で一致している。君が認めたっていうことだけじゃなくて、他に証拠があるから起訴したんだよ」。科学鑑定を持ち出し、これまでの取り調べとは違って、やや強い口調で●●さんに畳み掛けた。

 ●●さんが「全然覚えがない」と反論すると、森川氏は逮捕直後の現場検証を振り返り、「死体に草をかぶせたという君の説明は、実際と同じ状態なんだよ。誰にも教えてもらわなくて、なんで説明できたんだろう」と詰め寄った。●●さんの答えを最後まで聞かず、性急に質問を浴びせる場面もあった。取り調べ開始から約25分後、●●さんは絞り出すように「勘弁してくださいよお」と再び自白して号泣。法廷でテープを聞いていた●●さんが思わず机をけった。森川氏は「うそ言うと、どこか嫌でしょう」と諭すように話し掛け、「真実ちゃんの事件(足利事件)は、うん、それでいいわ」と質問を終えた。

 テープは21日に、初公判が始まる直前の92年1月28日分と2月7日分、●●さんが検事に初めて否認した12月7日分の計3本が再生された。22日午後は森川氏の証人尋問がある。【吉村周平、安高晋】

【関連ニュース】
足利事件:92年2月7日の地検聴取テープ(2)
足利事件:91年12月20日の県警聴取テープ
足利事件:92年12月8日の地検聴取テープ(4)止
足利事件:92年12月7日の地検聴取テープ(3)
足利事件:92年1月28日の地検聴取テープ(1)
最終更新:1月22日12時34分

--------------------------------------
■「足利事件:92年12月7日の地検聴取テープ(3)」の一部を転載する。



 【中略】

 検事 あのね、万弥ちゃんの事件と、その後が有美ちゃんの事件、そしてその後が真実ちゃんの事件とね、三つの事件があるんだけど。結論から聞くけどね、どの事件にかかわっていて、どの事件にかかわっていないか

 ●● 話していいですか

 検事 ああ

 ●● 全然かかわっていません

 検事 全然かかわっていないの?

 ●● はい。絶対言えます

 検事 ああ、そう

 ●● はい

 検事 ……真実ちゃんの事件については、今裁判になっているわけだけど。君、裁判所ではね、この事件は間違いないと認めたでしょ

 ●● はい

 検事 それはなぜ?

 ●● やはり警察ですか、警察行って調べまして、それでまあ、さっき言ったように、夜遅くまで調べられました。それで、自分はやっていないやっていないと言ったんですよ

 検事 うん、うん

 ●● だけど、全然認めてくれないんですよ

 検事 うん、うん

 ●● 自分はもう悔しくなっちゃったんですよ(涙声)。本当にやっていなかったのに

 検事 うん?

 ●● 本当にやってなかったんですよ。それで全然もう認めてくれなくて。それで夜遅くなってしまったんです。それで、あの、夜遅くなりましたから、これ以上10日も20日もやっていないやっていないと言うと、殴るけるとかされるんじゃないかと自分は恐怖の

 検事 分かった


 ●● 恐怖の……

 検事 それは分かった。それじゃあさ、裁判になってから認めたでしょ

 ●● はい

 検事 なんで? 裁判になった時はさ、もう警察じゃなかったでしょ

 ●● ……

 検事 裁判になった時は拘置所に移されていたでしょ

 ●● はい。自分としては、警察でも拘置所でも同じような所と考えてたんです

 検事 あ、そう

 ●● 自分、分からないんです、何も

 検事 うん、だけどさ、君、弁護士さんにはなんと説明していた?

 ●● 弁護士の人には、万弥ちゃんとか有美ちゃんですか、やっていないと言ってました


 検事 真実ちゃんの事件は?

 ●● それはやはり、自分はなんていうんですか、バカだからもう本当分からないんですよ

 検事 分からないというのは?

 ●● 弁護士の人でも、警察とか弁護士とかなんか同じように、同じように思っちゃったんですね、自分は

  【中略】

 ●● 本当に分からないんです。ほ、法律とか

 検事 法律のこととか言っているんじゃなくて、事実がどうだったかを、聞いていると思うんだよね、弁護士さんも

 ●● 警察の人が裁判の時はちゃんと話すんだぞと言うから、そのまま自分は言ったんです

 検事 だけどさ、いいかい、だけど、と言うかちょっと待ってね、あの、裁判でちゃんと話すんだぞっていうのは誰が言ったの? 警察?

  【中略】

 ●● やはり、犯人とかそういうふうにされましたけども、だけどそうじゃないから、どう説明していいか分からないんですよ

 検事 あ、そう。君、裁判が始まったらどうするつもり? また裁判始まったら。今ここで言った通り言う? まだ決めてない?

 ●● ……

 検事 どうする? はっきり決めてない? 弁護士さんには今ここで話したような話はするつもり? しない? そこは決めてない?

-------------------------------------
■ここで、メディアが 重大視しないのは、検察官が 「分かった」とかいいながら、「これ以上10日も20日もやっていないやっていないと言うと、殴るけるとかされるんじゃないかと自分は恐怖の」といった被疑者の説明を本気できいていない点だ。これは、ウソかどうか、ちゃんと ウラとりしないといけない重大な発言のはずである。つまり、暴行の不安をもたせるような、強引というより、おどしをともなった とりしらべたあったという疑念が、なぜ 検察官にのぼらなかったのか? これらの とりしらべ過程を、法廷であかしたことはないのであろう。それは、重大な権力犯罪ではないのか?■要するに、この一連の「ぬれぎぬ司法」は、きめつけで被疑者を犯罪者あつかいした警察と、そのいいぶんだけを信用した検察官。そして、検察官におなじ法曹エリートとして、権威主義的な「連帯感」をいだいてしまっている、裁判官の退室がもたらした、構造的あやまちといえそうだ。

■ちなみに、この もと検察官、ひとことも あやまらなかったようだ。なぜなら、こういった連中は、「当時のデータに対する判断は、あやまっていなかったんだから、いまも 関係者に あやまる必要はない」って、ダジャレのような ヘリクツが アタマのなかで グルグルまわっているような 人物たちなわけだ。反省する能力のない連中。旧日本海軍・日本陸軍の首脳部のような連中だということ。■そんな連中に、「正義」を 代表させているというのは、おそろしいことだ。
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タグ : 1984年 真理省 ハイパー独裁 警察

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コメント

可視化をめぐる政府内部の対立

「拙速な可視化よくない」=法案提出をけん制-国家公安委員長
 取り調べを録音・録画して可視化する法案について、民主党の一部で今国会への提出を訴える声が相次いだことについて、中井洽国家公安委員長は22日の閣議後会見で、「(小沢一郎幹事長の資金管理団体をめぐる事件など)いろいろな事件が起こったから急きょやるとか、拙速は一番まずい。落ち着いて捜査手法の近代化という大きな枠組みの中で勉強するのが一番いい」と述べた。
 同委員長は、捜査のあり方に関する研究会を2月初めに設置することを関係省庁や平野博文官房長官らに報告したと説明。「そうした流れを知らない方を中心に(可視化が)簡単なことのように言っているが、まあ収まってくるだろう」と法案提出の動きをけん制した。(時事2010/01/22-19:41)



可視化法案:今国会提出「難しい」…千葉法相ら

 取り調べ全過程の録画・録音(可視化)を義務づける刑事訴訟法改正案の今国会提出を目指す民主党の動きについて、千葉景子法相は22日の閣議後会見で「どんな準備が必要か課題がある。整理がつくかどうか」と述べ、今国会提出は難しいとの考えを示した。中井洽国家公安委員長も、捜査の近代化についての研究会をスタートさせることを明らかにしたうえで、「拙速が一番まずい」と述べ、否定的な見解を示した。【石川淳一、長野宏美】

【関連記事】
取り調べ可視化法案:対検察、首相慎重 民主の提出けん制 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100121k0000m010097000c.html
可視化法案:政府として「提出検討せず」 松野官房副長官 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100120k0000e010059000c.html
国会:衆院で各党が代表質問 野党が「政治とカネ」を追及 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100120k0000m010093000c.html
千葉法相:取り調べ可視化導入に意欲 韓国を視察 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100109k0000m010094000c.html
石川議員逮捕:弁護人、取り調べ全過程の可視化申し入れ http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100118k0000m040063000c.html
毎日新聞 2010年1月22日 21時39分

いかにも、自民・産経グループといった発言・報道

■あげそこなっていた記事を追加。

「捜査への挑戦」可視化法案で大島氏
1月22日21時32分配信 産経新聞

 自民党の大島理森幹事長は22日夕の記者会見で、民主党が取り調べの全過程を録音・録画する刑事訴訟法改正案(可視化法案)の今国会提出を検討していることに対し「与党権力を使い、法と証拠に基づく検察捜査に対する挑戦という動きとみられても仕方ない」と述べた。また「民主党内で捜査情報漏洩(ろうえい)問題対策チームや小沢一郎幹事長を支持する女性議員の会が設立された一連の流れでないか。このこと自体も政治不信を生み出すことになり、あってはならないことだ」と、民主党内の動きを批判した。


■可視化すると まずいことがおきるのは、どういった御仁たちだろう?

判事があやまったって、当事者が謝罪しないんでは…

足利事件無罪、裁判長の謝罪の言葉=全文
3月26日12時26分配信 読売新聞

 足利事件再審判決・佐藤正信裁判長の謝罪の言葉(全文)

 通常ですと、判決宣告後に適当な訓戒ができることになっていますが、本件では、自戒の意味を込めて謝罪をさせていただきます。

 ●●さんの真実の声に、十分に耳を傾けられず、17年半もの長きにわたり、自由を奪う結果となりましたことを、この事件の公判審理を担当した裁判官として誠に申し訳なく思います。

 このような取り返しのつかない事態を思うにつけ、二度とこのような事を起こしてはならないという思いを強くしています。

 ●●さんの今後の人生に幸多きことを心よりお祈りし、この裁判に込められた●●さんの思いを深く胸に刻んで、本件再審公判を終えることといたします。

『情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)』記事から

「取調べの可視化に消極的なマスメディアの姿勢に悪意を感じざるを得ない~警察リークがなくなるから?」
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/744af2449ea50992cfa58d98ada040e3
●●さんの無罪を伝えた3月26日付夕刊各紙のなかで、真剣に取調べの可視化(全課程の録画・録音)に取り組むべきだと訴えたものは見当たらなかった。まったく事実に関係していない人が「自白」をする過程では、取調べの側の誘導が必要なわけで、●●さんの件も、取調べの完全録画・録音がなされていれば、自白の不自然さは明白だったろうから、起訴すらされなかっただろう。●●さんの件で少しはマスメディアが反省しているのだとすれば、虚偽自白防止策として最も効果的な取調べの可視化の導入に貢献するべきだと思うのだが、そのような決意はまったく感じられない。

 それどころか、産経は【元検事で青山学院大学法科大学院特任教授(刑事法)の高井康行弁護士は、足利事件の取り調べを録音したテープでも暴力的な場面や自白を強制する文言はないことなどを挙げ、「可視化が本当に冤罪防止につながるのか疑問が残る」と指摘する。】(http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100326/trl1003261207010-n1.htm)とのコメントを掲載し、明らかに可視化を防ごうという姿勢。

 毎日新聞も【「違法な調べ」との指摘は、改めて取り調べ全過程の録音・録画(可視化)論議を加速させる可能性をはらむ。しかし、法務省の政務三役は、「原則、全事件・全過程」での導入から、現実路線への軌道修正を始めた。年間約200万件と事件数が膨大で、パトカー内や容疑者宅などでの取り調べも想定されるからだ。千葉景子法相は「財政的、物理的問題も含めて検討したい」と慎重で、法案提出は早くても2年後と見込まれる。】と法務省の主張をそのまま掲載し、こちらも可視化を進めようという意欲は感じられない(http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20100327ddm003040106000c.html)。

 読売新聞も【警察庁、最高検は足利事件の捜査の検証結果を近くまとめるが、求められているのは、自白偏重の捜査からの脱却である。取り調べを録音・録画する可視化のあり方についても、議論を深めていく必要があろう。】と明確な決意はなさそうだ(http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20100326-OYT1T01233.htm)。

 朝日新聞は、検索をしても出てこない体たらくぶりだ。

 ここまで足並みを揃えた姿勢に接すると、結局、マスメディアは、警察からのリーク情報(それも飛ばし気味のもの)が欲しいから、取調べ過程が完全に記録されると困ると考えているのではないかとしか考えられない。

 つまり、被疑者の供述が確実に記録に残ると、「田中容疑者が犯行を認めた」、とか、「田中容疑者は、靴を海に捨てたと供述している」などのリークに基づく情報を掲載した場合、その記事が虚偽であることが明白となるため、そのような記事を掲載することができなくなることを恐れているに違いないとしか考えられないのである。

 権力を監視するメディアが権力のリーク情報に基づいて記事を掲載するという構造を維持するために、権力の監視を防ぐ方向に誘導しようとしている…とすれば、これは悲劇なのか、喜劇なのか…。

 わずかに中日新聞が社説で次のように書いていることに救われる。

【何より、取り調べの問題は、今なお捜査の現場に残っている。冤罪の多くは捜査側の見込みや誘導などにより、ウソの自白が引き出されることによる。再審の法廷では、当時の●●さんの取り調べでの録音テープが再生された。否認に転じた●●さんを再び“自白”させた場面だった。
 現在、警察や検察で「一部録画」されているが、捜査当局に都合のよい部分だけだという批判がある。実際、無実の●●さんは“自白”し、それを再生テープがとらえている。「一部録画」の問題点をあぶりだしているわけだ。
 民主党は野党時代に可視化法案を二度、参院で可決した。だが、いまだ法務省などでは勉強段階で、法案提出の道筋が見えない。前進どころか、停滞ではないか。】(http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2010032702000043.html
……

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■ただ、ヤメ蚊さんが、とりあげなかった記事で、意外にいいもの(笑)もあるので、それもはりつけておく。


●●さん無罪確定 冤罪の構造、暴けぬまま
3月27日7時57分配信 産経新聞

 ●●●●さんに無罪が言い渡された。判決では、当時のDNA型鑑定の信用性を否定したうえ、虚偽の自白に追い込まれた原因にも触れた。再審の重要な目的である「早期の名誉回復」も果たした上で、ずさんな科学鑑定と、かつては「証拠の王様」と言われた自白に頼る捜査のもろさが改めて浮き彫りにされた。

 冤罪(えんざい)の証拠となった捜査段階のDNA型鑑定について、(1)再鑑定との相違(2)データの読みづらさ(3)それを支える画像データの欠落-を根拠に信用性が否定された。「科学的に信頼されている方法で行われたと認められない」として、当時の鑑定技術の稚拙さを断じた。

 科学捜査の走りとなった足利事件のDNA型鑑定について信用性が否定されたことは、同時期に発生し同様のDNA型鑑定によって有罪が確定、死刑が執行された福岡で女児2人が犠牲になった「飯塚事件」の再審にも影響を与える可能性がある。

 判決は、取り調べ時の状況や、調べを受ける人の性格などの要素で、自白が「作られる」危険性にも言及した。

 ●●さんが虚偽の自白に至った原因については、「(取り調べた)検事にDNA型鑑定結果を告げられたことが、最大の要因」と指摘。「当時の取り調べの状況や強く言われると反論できない●●さんの性格」などを理由に挙げ「自白は新聞記事の記憶などから想像をまじえ供述した」と認定した。

 また、1審公判の間に行われた別の事件に関する取り調べでは、●●さんの弁護人に連絡がなく、●●さん本人にも黙秘権を告知していないなど、違法性が浮かび上がった。

 誤判原因の一端に光が当てられる一方、●●さんの名誉回復を目指す再審公判には限界も見えた。

 当時、●●さんを取り調べた警察官やDNA型鑑定を行った技官、裁判官らの証人尋問は断念され、判決でも「虚偽の自白」を見抜けなかった構造に言及はなかった。

 「なぜ●●さんが犯人とされ、捜査の対象となったのか」。その疑問も解消されないままだ。

 今後、公表されるであろう最高検や警察庁の検証結果がいかに判決内容を反映し、深く掘り下げられるかを注視しなければならない。今回の判決と検証結果から捜査当局や裁判所がどのような教訓を導き出すのか。それができなければ、●●さんの失われた約18年に報いたことにはならない。(是永桂一)

 ■誤判究明、国民が議論を

 木谷明・法政大法科大学院教授(刑事法)の話

 裁判長の謝罪は、大変率直で好感が持てた。短い言葉だったが、裁判所の誠意が伝わったのではないか。

 弁護側が求めた誤判原因の究明は、謝罪以上に重要だが、完全な究明には至らなかった。警察、検察、裁判所は協力して原因究明に取り組み、足利事件で虚偽の自白を生んだ取り調べについても、全面可視化の方向で議論をするべきだ。

 とはいえ、裁判員制度が始まり、市民が冤罪の可能性がある裁判に関与する危険性がある時代。冤罪の誤判究明は、国民が関心を寄せて、議論するべき問題である。

 ■第三者の調査が有効

 村岡啓一・一橋大法科大学院教授(刑事法)の話

 取り調べには、無実の人が虚偽の自白をせざるを得ない構造的な危険があることが明らかになった。宇都宮地裁の判断は、自白をした●●さんの責を問うもので教訓にもならない。

 再審で虚偽の自白の実態が分かったのに、自白をさせた捜査側の原因は見ておらず、「なぜ無実の人が虚偽の自白をするのか」ということを解明できなかった。

 裁判所は旧来の視点を転換できていない。法曹三者以外に一般の人による独立した第三者委員会で調査することが有効だろう。

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■いわゆる「人権派弁護士」に一貫して批判的だったろう、産経のような媒体でも、すくなくとも社会面系の記事では、司法の組織的犯罪体質を批判するほかなくなったということの意味はおおきい。

■それにしても、おなじ産経なのに、ヤメ蚊さんが批判した記事と、うえの記事とで、動員された先生の論調のちがいは、なんなのだろうね? デスクがちがう記事なんだろうけど。
■とはいえだよ、全面可視化反対に加担しているらしい高井康行弁護士とやらも、「「むしろ自白に依存して、起訴する検察や有罪の判断を下す裁判所に問題がある」とし、「自白を証拠採用する際の新しい基準をつくるなどの取り組みが必要」と話す。」としているところなどは、さすがに 時代のながれを感じさせる。密室での「自白」の強要という、組織犯罪に、はどめをかける機運には、さすがに抵抗できなくなったと。■それとも、高井弁護士は、ヤメ蚊さんが批判しているような加担の意思はなくて、むしろ全面可視化ですべて問題解決するとはおもえない、といった、危機感を表明したのを、産経がねじまげたのかな? いや、高井弁護士は、「ヤメ検」であり、「大学時代に法学委員会(創価学会員から弁護士や検事などを輩出するために作られた創価学会のエリート育成機関)に関わったのは事実」(『週刊現代』2006.02.25号)と、みとめているらしいので、まあちがうだろう。

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