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Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

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新型インフルエンザ騒動の怪38=豚インフルエンザ報道を検証する(第30回) 季節性インフルエンザが消えた?

シリーズ「新型インフルエンザ騒動の怪」の続報。■今回も、“世界の環境ホットニュース[GEN]”の最近のシリーズ “豚インフルエンザ報道を検証する”の最新版を転載。



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世界の環境ホットニュース[GEN] 741号 09年12月29日
……

      豚インフルエンザ報道を検証する(第30回)

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第30回 季節性インフルエンザが消えた?           原田和明

 産経新聞国立感染症研究所に取材したところによると、例年なら年末に流行入りする「季節性インフルエンザ」の発生報告(確定診断)が今年は1件しかないという珍現象が起きているというのですが・・。

 この珍現象のカラクリは厚生労働省のトリックにありますが、まずは12月21日付産経新聞(東京12版)の第一面のトップに掲載された記事全文をご覧ください。(産経新聞2009.12.21 01:54より以下引用)

 新型インフル 消えた?! 季節性ウイルス 報告1例のみ

 「新型インフルエンザ」の流行が続く中、例年なら年末に流行入りする「季節性インフルエンザ」の発生報告(確定診断)が1件しかないことが20日、国立感染症研究所への取材で分かった。年末にこれほど季節性の報告がないのは、少なくとも過去10年は例がない特異な事態。詳しい原因は不明だが、猛威を奮う新型の流行が、季節性ウイルスの増殖や感染の機会を封じている可能性を専門家らは指摘している。

 季節性ウイルスには「Aソ連型」「A香港型」「B型」の3種類がある。感染研では全国の地方衛生研究所に対し年間を通じて、地域で流行しているウイルスを抽出検査し、種類を確定した上で報告するよう求めている。通常の病院の診察時に行われている「簡易検査」では、ウイルスの詳細な種類の判別はできず、流行の詳細な状況は分からないためだ。

 例年であれば季節性ウイルスは、11月ごろから報告が出始め、12月から1月にかけて流行入りするのが通常。しかし今季は、11月1日から今月18日までに全国から寄せられた4624件の報告のうち、季節性ウイルスは「B型」の1件のみで、ほかはすべて新型ウイルスだった。

 感染研のデータでは平成20年の同時期には 958件。19年は1277件、流行開始が遅かった18年でも74件、17年は 533件の季節性ウイルスの報告があった。厚生労働省でも「これまでの動きとは、明らかに異なる傾向を示している」と指摘している。

 季節性ウイルスが検出されない原因について、喜田宏北海道大大学院獣医学研究科教授(微生物学)は「多くの人が免疫を持たない新型ウイルスは、季節性ウイルスよりも感染しやすい。新型ウイルスの増殖と感染の勢いにおされ、季節性ウイルスが淘汰(とうた)されてしまった状態にある」と説明する。

 例年の季節性ウイルスの流行でも、異なる種類のウイルスが拮抗(きつこう)して流行することはまれで、いずれかが優位性を持ちながら流行する。今季は新型が圧倒的な勢力を持ち、他を押さえ込んだ可能性があるという。

 季節性のワクチンが品薄になるほど広く打たれたことや、手洗い、マスク着用などを多くの人が徹底していることなどを原因の一つとして指摘する声もある。

 感染研によると、海外でも、季節性ウイルスが流行している国はない。北半球より半年早く新型の本格流行を迎えた南半球では、流行当初は一部で季節性が混在した地域もあったものの、最終的にはほとんどが新型一色になったという。

 ただ、季節性ウイルスは今季、もう流行しないかというとそうとも言えない。昨シーズンの流行が当初は「Aソ連型」が主流だったが、3月以降は「B型」に入れ替わったように、ひと冬の間に流行するウイルスが入れ替わることがあるからだ。新型ウイルスの流行状況が12月に入り減少傾向となっていることもあり、専門家らは「1月以降に季節性ウイルスが流行する可能性は十分ある」と注意を促している。
(引用終わり)

 なぜ、今年はAソ連型もA香港型も報告例がないのでしょうか? 第3回(「新型」感染者続出のカラクリ GEN 713=09年5月27日)で紹介した通り、騒動の当初から「新型」とAソ連型を識別する検査方法は採用されておらず、Aソ連型は自動的に「新型」に分類されていたのです。よりはっきり言えば、季節性Aソ連型を「新型」と呼んで騒動を演出したいた(していた:ハラナ)ということです。

 さらに、第21回(「新型」呼称はフェードアウト GEN 732=09年10月7日)で、A香港型も「新型」に分類された経緯を説明しました。8月28日発 厚生労働省事務連絡(「新型インフルエンザ患者数の増加に向けた医療提供体制の確保等について」)の中で、「簡易迅速検査PCR検査の実施は必須ではなく」医師が「臨床所見や地域における感染の拡がり等の疫学情報等から総合的に判断」してもよいとの方針が出されています。つまり、医師が「新型」だといえば、「新型」になってしまうのです。所見だけで、医師がA型かB型か新型かなんて判定できるほど、症状に違いはありません。しかし、検査をしなくてもよいとの指導なのですから、医師は「とりあえず、新型と言っておけばいいだろう」みたいな風潮を、厚生労働省が誘導しただけの話です。

 このように、今回の豚インフルエンザ騒動の仕掛け自体はお粗末なものでした。何しろ「新型、新型」と大騒ぎするわりには、何が「新型」なのか最初からはっきりしませんでした。もっともひどい例が第6回(でっちあげられた関西のパニック GEN 717=6月21日)で紹介した関西の高校生の事例です。

 「新型インフルエンザの集団感染が起きた私立関西大倉高校(大阪府茨木市)の少なくとも9人の生徒が、保健所や病院での 受診の際に「関西大倉の生徒は、簡易検査 陽性の時点で 感染者とみなす」との説明を受けていたことが分かった。」(5.18産経新聞関西版)

 「簡易検査 陽性」とは、A型かB型か に感染しているということです。A型の場合はAソ連型か、A香港型あるいは新型かの区別はできません。それでも、この段階で「新型」と判定するというのですから、いかに判定基準が最初からいい加減だったかがわかります。

 この記事は、国立感染症研究所が発表したのではなく、産経新聞が取材してわかったとなっています。産経新聞は、なぜこのような取材を行ない、なぜ一面トップという扱いにしたのでしょうか? 新型インフルエンザのネタが枯れたこの時期に、何か盛り上げる話題が必要だったということでしょうか。輸入ワクチンが年明けから大量に入ってくる予定ですので、そのキャンペーンの一環かと思いましたが、記事中に解説者として登場する喜田宏・北大教授は輸入ワクチンに反対の立場の人でした。

 喜田は北大卒業後数年間、武田製薬でワクチンの開発を実際にやっていたという経歴
があり、●●(不明:ハラナ)独立行政法人・科学技術振興機構のウェブサイトに喜田のインタビュー記事(掲載日:2009年8月26日)があります。(以下引用)

「ワクチン輸入という話が出ていますが、とんでもないことです。新型インフルエンザウイルスの伝播が激しくて重い病気を起こすようなウイルスに変化したとき、ワクチンはどの国でも必要になります。お金を払えば買える状況でなくなることは容易に想像できます。国民の健康は自分たちの政府が守るという意味で、これは軍備以上にはるかに大事なことだといえます。外国から輸入すればよいというくせがついてしまったら、独自に自分の国でワクチンを製造することが困難になってしまいます。」(引用終わり)

 経歴から言えば当然の主張ですが、同時に、国産ワクチンの問題も指摘しています。(以下引用)

 「私、製薬会社でワクチンをつくっていたことがあるプロのつもりでいますが、(中略)現行のワクチンがきれいにすることばかりを主眼に開発された1971年から、そのまま改善されないで放置されてきたことが問題です。当時は副反応がなければ効き目などはどうでもいいという思想のもとに開発されたのですから、これを早くピュアなスプリットに、全粒子ワクチンに戻すべきであるということを進言してきたのです。それが差し当たってすべきことではないかと思います。

 なぜこのようなことになっているかというと、当時、私がいた1メーカーだけが 100%ピュアなウイルス粒子をワクチンにしました。ところが次の年か
 らまたHA(ヘマグルチニン)ワクチンにしてしまった経緯があります。当時、日本には製造所が7カ所あって、ほかは財団法人でつくっていたのです。だから競争原理があまり働かず、1社独占は許されないという背景もありました。そのほかいろいろな政治的なこと、あるいは世間の皆さんやマスコミの皆さんから、ワクチンは効かなくて危ないという批判がありました。ただそれだけの理由で、公衆衛生審議会が、1994年にインフルエンザを予防接種対象疾病から除いてしまったという経緯があります。

 だから、現行のインフルエンザワクチンをもっと改良すべきだということが第一の問題としてあるのです。」
(引用終わり)

 輸入には反対だが、国産も問題だというのが喜田の主張のように聞こえます。産経新聞はなぜ喜田にコメントを求めたのかわかりません。ところで、豚インフルエンザ騒動はタミフルに続いて、欧米で不要となったワクチンを大量に日本が売りつけられるという結末で終わりそうです。

 1126億円を投じて購入した輸入ワクチンが大量に余ることが確実になったのです。騒動(あえて流行とはいいません)が下火になった上に、なんと日本の人口を上回る1億5千万人分を確保してしまったことが判明したため、先を争って接種するという状況ではなくなったのです。海外では副作用の問題が指摘されましたが、国内ではマスコミが大きく報道しないことから一般市民の間で問題になっているのかどうかは不明です。

 人口を上回る量を確保してしまった原因は第一に「当初2回接種が必要とされていたが、1回でも十分な効果が得られることが判明したため供給量が一気に倍増した」ためですが、副作用がみつかっても契約をキャンセルできないなどという不利な条件で買わされた責任は舛添要一前厚労相にあるとのことです。しかし、厚労省幹部が舛添に責任を押し付けているだけという感じもします。
(12月27日23時42分配信 産経新聞より以下引用)

 ワクチンの輸入を決断したのは舛添要一前厚労相。経緯を知る厚労省幹部は「『集められるだけ集めろ』と指示され、必死で集めた。当時は世界的にワクチン争奪戦が繰り広げられおり、それでも少ないといわれた」と振り返る。

 ワクチン輸入を検討しながら、争奪戦に敗れて輸入を断念したのが韓国といい、この幹部は「最後に笑ったのは製薬会社と韓国」とこぼす。

 厚労省によると契約上、ワクチンの品質に明らかな問題がない限り、解約や返品は不可能。輸入予定製品が他の複数の国ですでに使われていることを考えれば、「品質上の問題がある」とは言えず、契約は履行されるとみられる。

 厚労省血液対策課は「確かに余るだろうが、再流行や来年の流行にも使える可能性はあり、直ちに無駄になるとはいえない。大きく構えておくのが危機管理の基本。検証は必要だが、当時の判断は間違っていなかった」と話している。
(引用終わり)

 記事中、ここでも、喜田のコメントがあります。(以下引用)

 北海道大の喜田宏教授(微生物学)は「新型は季節性のAソ連型と共通する部分があり、1回接種で効果が得られることは予想できた。大量余剰の責任を誰が取るのか」と手厳しい。(引用おわり:ハラナ)

 ワクチンの輸入自体に反対の立場なのですから、手厳しいのは当然で、産経新聞はこのコメントを最初から期待していたことでしょう。ただ喜田が「新型は季節性のAソ連型と共通する部分があり」って言うのなら、海外ではとっくの昔に「新型」呼称は止めて、「A/H1N1」(ソ連型のこと)と呼んでいることにも言及してほしいところです。厚労省血液対策課のコメントもむなしいばかりです。

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■集団無責任体制・集団責任転嫁体制というべきだろう。メディアも大学人も。
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コメント

いろいろなタイプがあるインフルエンザは不思議ですね。
とりあえず、うがいと手洗いだけは、確実に続けます。

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