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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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「製造業派遣禁止」と生産拠点の海外流出

「派遣労働者」関連記事の続報。『中日新聞』社説から。



【社説】

派遣法改正 労働者保護の第一歩だ
2009年12月28日
 懸案だった労働者派遣法の改正内容が固まった。日雇い派遣だけでなく製造業や登録型も原則禁止とする。問題が多い派遣制度にやっと規制がかかる。政府は引き続き労働者保護を推進すべきだ。
 これも政権交代の効果だろう。自公政権下で廃案となった派遣法改正案は日雇いだけを禁止にする緩やかなものだった。今回は民主、社民、国民新三党の連立合意に基づき派遣労働者の保護を強く打ち出した。
 労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)がまとめた改正案の骨格は、(1)仕事があるときだけ雇用契約を結ぶ登録型派遣(2)常用雇用型を除く製造業派遣(3)一日単位から二カ月以内の期間の派遣-をすべて原則禁止とするものだ。
 また禁止業務に派遣したり、いわゆる偽装請負などの違法があった場合、派遣先企業は派遣労働者に直接雇用契約を申し込んだとみなす規定も盛り込まれる。施行は公布日から半年以内だが経営側に配慮して登録型は五年間、製造業は三年間の猶予期間を置く。
 一連の内容は評価できる。「コンクリートから人へ」と人間重視の政策を掲げる鳩山政権にとって同法改正は真骨頂となろう。
 法改正の発端は昨年前半に相次いで発覚した大手派遣会社による違法行為である。昨秋の金融危機では電機メーカーなどで“派遣切り”が続出。失職と同時に住む部屋からも追い出される人が続出した。そして「年越し派遣村」出現は世間に衝撃を与えた。
 もうひとつの理由は低所得者層の急増である。年収二百万円以下の働く貧困層(ワーキングプア)が一千万人以上もいる。消費低迷だけでなく少子化、自殺・犯罪増加の一因とされるなど、国としての抜本対策が迫られている。
 企業側は派遣禁止は労働者の雇用機会を奪う、と反発する。だが十一月の完全失業率が5・2%、有効求人倍率は〇・四五倍という現状で労働者が「働きたい時に働く」ことができるのか。
 賃金コストが高まれば企業は海外へ移転するとも強調するが、海外移転は消費地との直結や円高対策の面が強い。
 経営者は直接雇用と長期雇用の原則に立ち戻るべきだ。技術の継承だけでなく、職場の一体感醸成で生産性向上や労働災害の防止も図れる。労働者をモノ扱いしては企業の将来性はない。
 政府は派遣労働者に続き、契約社員など非正規雇用労働者全体の待遇改善に努力すべきである。

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■「正論」だとおもうが、これだけで いいのか? という疑念ものこる。
■たとえば、つぎのような議論は、無自覚な「うえから目線」の典型例だとおもうが、無視できない「現実」の反映でもある。


週刊ダイヤモンド編集部
【第353回】 2009年07月15日
民主党「製造業派遣禁止」へ 電機メーカー海外脱出は必至
 6月末に、民主党が社民党、国民新党と組んで、労働者派遣法改正法案を衆議院に提出し、波紋が広がっている。
 法案の目玉は、「(専門業務を除いた)製造業派遣の禁止」である。これまで、民主党は、派遣労働者の劣悪な労働環境に警鐘を鳴らすことはあっても、「製造業派遣の禁止」には、慎重な姿勢を取ってきた。というのも、「禁止することで失職する労働者数十万人の受け皿を用意できなかったからだ」(人材派遣会社社長)。
 言うまでもなく、民主党が、その姿勢を転換したのは、迫る衆議院選挙において、両党との選挙協力を睨んでのことだ。ある電機メーカー幹部は、「法案が衆議院を通過するわけではない。非現実的だ」と言う。確かにそのとおりかもしれないが、民主党が規制強化へ動いた“事実”は非常に重い。
 仮に、民主党が政権与党となって労働政策を打ち出す際に、国会提出までした法案骨子を変えることは考えにくい。いずれ、製造業派遣の禁止は現実のものとなるかもしれない。別の電機メーカー幹部は、「いつかは、くると思っていた。派遣社員に依存しない要員体制を整えなくてはならない」と気を引き締める。
 2000年以降、シャープやキヤノンといった電機メーカーが、こぞって、生産拠点の“国内回帰”の方針を掲げた。だが、いくら液晶パネルやカメラが高付加価値製品であったとしても、固定費の圧縮は不可欠だ。派遣が禁止されれば、コストは上昇してしまう

 加えて、状況が悪過ぎる。自動車や電機などの輸出型製造業では、需要停滞が続くうえに、急激な円高が直撃したため、為替リスクも顕在化している。人件費上昇と為替リスク拡大が、製造業の海外移転ラッシュを加速させることは必至な情勢だ。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 浅島亮子

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■「人件費上昇と為替リスク拡大が、製造業の海外移転ラッシュを加速させることは必至な情勢」などと「巨視的」な議論を展開している御仁のなかに、「ワーキングプア」層はごく少数のはず。■もちろん、「派遣労働者」としてしか求職をかなえられなかったといった層にとって、今回の事態は重大事なわけだが、「製造業の海外移転ラッシュで失職するか? いままで以上の労働コストカットにたえるか?」といった、無理難題の二者選択をせまる経営者に知恵がない、経営能力が不足しているというほかあるまい。「本体がツブれたら、もともこもなかろう」とか すごみながら、自分たちの役員報酬などは激減しなかったりする、よわいものイジメ体質が恒常的なのだから、倫理面だって、信用できたものじゃない。

■とはいえである。「ワーキングプア」層の相当部分は、年間労働時間を相当こなしている貧困層のはずだ。本当の貧困層は、「職がない」「ときどきしか ありつけない」「月給制では給料日までいきていけない」「社員寮がなかったら、定宿がない」といった層である。派遣労働者が外国人研修生を収奪するという搾取システムが禁止されれば、製造業の海外移転ラッシュが再燃し、「職がない」「ときどきしか ありつけない」「月給制では給料日までいきていけない」「社員寮がなかったら、定宿がない」「日本での留学・研修はつらいだけ」といった層を大量にうみだす危険性がせまっていることも事実だ。■つまりは、労働現場での徹底的な人件費カット以外に利潤追求のメカニズムをもてない 無能無策な経営者層は、地域貢献・巨視的経済効果などは当然かなぐりすてた、短期的で利己的なサバイバル競争に奔走しかねない。

■結局のところ、「やすければ、それでいいのか?」という、消費者としての根本的な倫理を再確認し、「消費者としての かしこい行動原理」をみなおすということ。■企業も、やすうり競争に活路をみいださず、まっとうな価格で消費者をふりむかせる。まっとうな(依存症的でない)消費者を確保して、消耗戦で同業他社をツブそうといった戦略から「卒業」する≒正社員にかぎらず労働者に まっとうな賃金をしはらい、まっとうな労働環境を確保し、まっとうな国内需要を維持してもらうことなのだとおもう。
■いいかえれば、「派遣を禁止されたら海外にでるほかない」といった、うしろむきの発想をやめ、「工業製品・サービス商品の地産地消」がまともに循環するような産業・消費構造をひねりださねば、活路はない。■ロボットなどの導入による合理化自体はわるくないが、そこでういた労働力を社外にすてさってしまうのでなく、国内需要をささえる消費者としてまっとうなくらしができる給料をはらえる経営、それを可能にする商品開発・システム開発が不可欠だ。

■みんなで疑心暗鬼になりツブしあう。「あとは のとなれ」で、周囲への配慮もなければ、後世への責任もおわないような、短期的・利己的な「市場メカニズム」の均衡なんざ、全然合理的でもなんでもない。■社会ダーウィニズムを信奉する連中の根本的にアホな点は、自然のエコシステムに範をとるような気になっていながら、全然、誤解している点。ダーウィンらがえがいた自然界の競争原理は、同種間・異種間のツブしあいなんかじゃない。同種間の競争をともなった互助体制、異種間の搾取ではなく秩序だった物質・エネルギー代謝の体制という壮大なメカニズムだ。■おそらく、経営の神様だった、松下幸之助などは、企業経営の本質が、市場や労働者からの収奪ではなく、よい製品・システムによる、相互扶助と共存共栄だということを直感していたにちがいない。■「よわいところからムシる」という、ヤクザっぽい非道(かれらも、すきでやっているはずがないが)を「卒業」して、そろそろ人倫を冷静にまっとうできる企業間競争、企業内秩序をくみたてないと。
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テーマ : これからの日本 - ジャンル : 政治・経済

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コメント

派遣禁止と排除

確かに派遣はすごく大変で、人を生きられなくしてしまうシステムです。
ただし長年そこにひたらされて消耗し、それ以外の業務に不向きにされた人たちをどうやって社会の一員としてむかえいれるのか、それを(教育訓練所への隔離だけではなく)検討しなければなりません。
心身を癒す期間や居場所の問題、勤勉・効率・自立といった概念への問いかけ等も含めて論争すべきです。
たとえ正規でなくても生きられるシステムづくりが求められています。

いろんな意味でおわっている「日本」

ワタリさま。

> たとえ正規でなくても生きられるシステムづくりが求められています。

とのご指摘、まことにごもっともです。
つけくわえると、昨年某建設会社の就職試験にのぞんだときの事例をとおして、「日本」(というのは共同幻想ですが)の企業がおわっている一例をしめしたいとおもいます。
その会社の面接官は、わたしに対しての面接時において、しきりに「うちは法律上、正社員に登用する義務ある業務の範囲からははずれている、きみを長期的にも正社員に登用するつもりはない」というむねの発言をくりかえしました。で、結局わたしはその会社の就職試験におちたのですが、うかっていても就職しない方がよかったかもしれません。なにしろ、「長期的には正社員に登用される可能性もある」という期待をもたせて、そのための称して一番きつい仕事をおしつければうまく利用できるだろう、という程度の損得計算もできない人間が面接官をつとめていたことを意味するのですから。
実際、かりにわたしがいくらながくはたらいても正社員になれなかったとしても、その面接官のはたらきかけが真剣でなかったということは証明できず、「わたしは正社員に登用すべきと主張したんだがほかの社員が反対したんだ」といえば、わたしは反証ができないのですから。
わざわざ会社にとって何の利益ももたらさない「法律上正社員に登用しないでよい範疇の業界なので正社員に登用しない」と明言するという、他人のやる気をそぐ効果以外になにももたらさない発言を面接官がくりかえす。それが昨年の某地方都市の建設会社の実情です。ほかのところも、おしてしるべきでしょう。

おふたりあわせて

■元日からはじまった『朝日』の雇用問題特集などをみるかぎり、企業経営者も、雇用を確保しないかぎり国内需要がへっていって、「ひもじくて 自分のアシをくうタコ」状態におちいっていくという悪循環に自覚的ではあるようです。しかし、株主・投資家の多国籍化によって、生産拠点を国内にとどめようとしても、説得できるような積極的根拠がないと とおらないなど、雇用ナショナリズムが通用しないといった、あらたな構造もうまれているようです。■これは、中長期的には、世界の平準化と商品の高品質化・低価格化を達成するのでしょうが、こういったグローバリゼーションの過程で「消費」されてしまう労働者や家族はたまったものではありませんね。■労働者は、資本主義市場のもと、たしかに「お客さま(消費者)は、かみさまです」式の構造にいかされているのですが、かといって、労働者個々人は、なまみなので、くびきりされたり転職をしいられたり、配置転換とか転勤などに、「素材」のように柔軟に動員されるわけではないわけです。なかには、しんでしまう層さえでる。■消費者と経営者は、「素材」として労働力を動員してしまう資本主義市場の魔力(≒自分たちの無自覚な権力)を充分自覚して、自制しないといけませんね。「やすければ、やすいほどいい」を実践していいのは、なりふりかまっていられない貧困層だけでしょう。中産階層や上流階級が「倹約」してはいけません。合理的な消費は権利だけど、あしもとみて、かいたたくようなヤクザな行動は、ノーブレス・オブリージュ(高貴なるものの責務)に反します。■その意味では、経営者ジュニアたちは、「帝王学」などではなく、魔物としての資本主義市場と、「素材」化されたら、動植物同様しんでしまう労働者という現実をまなぶよう、義務化しないと。経営者たちは、偽善にしろ、労使の共存共栄をめざした松下幸之助の「良質な部分」を継承すべきですね(パナソニックの工場現場は、理想とは、かけはなれているでしょうけど、それはそれとして)。

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