プロフィール

ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

前ブログ: 『タカマサのきまぐれ時評

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優先順位/存在証明/自己実現/自己満足1

グローバリゼーション(ヒト/モノ/コトの大量高速移動)の時代がやってきた。しかし、モノ・情報・資本などは大量高速移動するようになったものの、実際にヒトとその行為が高速移動するのは、全体のうち ごくわずかだ。■ヒトを大量高速輸送させるだけの技術・制度は、しあがったのだが、奴隷労働が法的に禁止された現代、各人の「主体的な選択」(多分に幻想ではあるが)がからむがゆえに、目的地がデタラメということはなく、動機のない移動も基本的にありえない。■ここには、移動コスト(金銭・時間・心身の疲労など)がからんだ心理的コストがまとわりついているとおもわれる。0にはならない移動コスト+心理的コストがあるがゆえに、どんな空間であれ、1000キロをこえるような長距離移動には、それなりの動機・目的があるとかんがえられる。■SFや理論物理学のなかでは、テレポーテーションが可能でも、それを科学技術が実現することはありえまい。■つまり、定年退職後の富裕層でもないかぎり、日常のなかから時間と資金をさいて、仕事と無縁な移動を気ままにするという層はごくごく例外的だということになる。

■モノや資金は たしかに大量高速移動しているが、これとて 市場原理の わく内がほとんどだ。要するに、カネもうけになると判断される空間にしか、モノ・資金は大量移動していかない。購買力がちいさい集団しかくらしていない空間には、モノ・資金は少量低速移動しかしないだろう。■第三世界の貧困国や日本列島の過疎地をみればよい。

■この ごくあたりまえの構造を再確認したのは、カネもうけとは一線を画したヒトの行為や資金が、特定の空間に移動していくとしたら、どういったばあいかを整理してかんがえるためだ。 ■たとえば、巨万の富をかせぎだした ビル・ゲイツ氏は、事業から引退したあと慈善事業に本格的にとりくむのが第二の人生だそうだ。■しかし、ゲイツ氏がどんなにとびぬけた富豪であろうと、世界中の諸問題を解決することはできない。たとえば、ビル&メリンダ・ゲイツ財団は、発展途上国の感染症対策・教育援助などに劇的な影響をあたえるかもしれないが、逆にいえば、内戦などの国際政治・経済の矛盾にはほとんど無力だろうし、おひざもとのアメリカ国内の経済格差などが放置されるといった構図がうかびあがる。■皮肉でもなんでもなく、個人ができる財団としては、物理的に限界があると充分認識しているがゆえに、「途上国のエイズ、マラリア、結核の根絶や教育水準の改善などに尽力」という焦点のしぼりこみをおこなったのだ。
■ゲイツ氏らの例が象徴しているとおり、市場原理にのっとらない善意の行使は、資金・物資・人材の大量高速移動とは対極にあり、むしろ、物理的にいきわたらないことが自明視されているからこそ、発案者のかんがえる優先順位にそって、希少な財が投入されるというべきだろう。

■いや、それどころか、民間人による非市場原理的な行動にかぎらず、巨額の資金を公的目的に援用しているのが、政府・自治体だったはずである。インフラ整備や福祉・教育など、非営利的部門を積極的に税金投入でささえるのが、そういった公的セクターであった。そして、その資金が巨額とはいえ、世界各国の慢性的な財政危機をみてもわかるとおり、「いくら税金をあつめても全然たりない」という構図が厳然とあるのだった。■つまり、大国の税金という、巨額の資金にしても、希少な財としてその配分がきびしくあらそわれ、乱暴ないいかたをすれば、議会とは、政府がまきあげる税金のありようと、その配分方法の争奪ショー(優先順位競争)をやらかす空間とさえいえるわけだ。■そして、そういった希少財をめぐる利害対立は、利権確保や寄生など、不正(スレスレ)の抗争・競争をくりかえさせるのであった。
■さらに乱暴ないいかたをするなら、官僚層の相当部分は、これら配分業務を淡々と公正にとりしきっているというポーズを演出する搾取者集団であり、与党集団の相当部分は、これら配分業務を冷静に監視しつつ、公的ニーズのある集団に公正に拠出させているというポーズを演出する搾取者集団といいかえることが可能だろう。■今月上旬にかいた「優勝劣敗原則のカラクリ」というスケッチをふりかえるなら、いわゆる「土俵をつくってしきる」がわとして、かれらは 必勝ゲームをくりかえしているわけだ。官僚や与党の若手議員などは「無邪気で危険なエリートたち」としては、アホな大衆に誤解されたままだという被害者意識がつよそうだが。
■それはともかく、こういった「財源」という「希少財」をめぐる 「ぶんどり合戦」は、たとえば、土建業界の公共工事だのみとか、軍需産業の国防予算だのみとか、エゲつないタカリ構造をはびこらせる。■というか、こういった民間業者たちの利害を調整しつつ、あたかも公的拠出が合理的で「優先順位」上 正当なものであるかのように演出するのが政官財のユチャク構造だろう。平和憲法を護持しつつ「核の傘」幻想にすがるという、怪物的な国民が毎年拠出している「おもいやり予算」などは、その醜悪な典型例だ。

■「優先順位」は、選挙によってえらばれた市民の代表者が監視するなか、優秀な専門家集団が緻密に優先順位をきめ相互の軽重の整合性をひねりだした「希少財」の配分ということになっている。しかし、「優先順位」のきめられかた自体が、演出された茶番劇といえるだろう。■前回目次をひいたましこ・ひでのり『たたかいの社会学』の8章の目次をはりつけておく。

8 優先順位 おいこし、わりこみ、まちぼうけ 263

1 特別あつかい ―救急車、先導車、「お召列車」、専用機などを参考に 264
2 「わりこみ」ありの「先着順」原理 ―行列、自動車レースなどを参考に 270
3 全能感と「わりこみ」 275
4 人命における優先順位 ―経済的評価と脳死を参考に 279
5 「優先順位」判定の政治性と、テクノクラシーの洗練 288


■要するに、「おいこし」や「わりこみ」をゆるされた特権層がおり、そのために「まちぼうけ」をくわされる層がいるらしいと。■まさに、「土俵をつくってしきる」がわと、「土俵にあがらされる」がわの決定的な優劣関係だね(笑)。【つづく】
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トリアージ騒動

●ウィキペディア「トリアージ」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%B8
●「政治や経営とトリアージ」(http://d.hatena.ne.jp/T-norf/20080526/Triage
●『吾輩は馬鹿である』(http://d.hatena.ne.jp/Sokalian/
●ウィキペディア「臓器くじ」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%93%E5%99%A8%E3%81%8F%E3%81%98
●「異分野の学部で一般教養を担当する」(http://d.hatena.ne.jp/Wallerstein/20080817

■なんで、みんな こんなに あつくなったんだろう?

『サンデー毎日』(11.18号)34ページには

国会はほとんど「丸投げ状態」改正臓器移植法がはらむ難問、という記事があります。その結論部は以下のとおり。

「わが子に臓器提供しようと自殺を考える母親が出るという声もある。国会審議では肝心な議論が何もされなかったことが改めて分かった」(「臓器移植法を問い直す市民ネットワーク」の川見公子さん)
命は誰のもの?(堀 和世)

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