プロフィール

ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

前ブログ: 『タカマサのきまぐれ時評

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

ブロとも申請フォーム

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ニセの可視化(警察庁による「取り調べ適正化指針」)

とりしらべの可視化の問題は、再三記事にしてきたが、警察庁も鹿児島富山などの事件で、さすがに対応をせまられたようだ。■まずは『中国新聞』の報道・論評。


取り調べ適正化指針 冤罪根絶につながるか '08/1/25
------------------------------------------------
 具体的な改善策を示してはいるが、冤罪(えんざい)の根絶につながるのか、疑問が残る。警察庁がきのうまとめた取り調べ適正化指針である。各都道府県警本部の警務部門に監督担当課を置き、取り調べ状況を随時チェックするなど、踏み込んだ内容を盛り込んでいる。

 評価できる部分があるのは確かだ。警察の危機感の強さがうかがえる。容疑者の尊厳を著しく害する言動や体への接触など七項目を「監督対象行為」と規定。行き過ぎになりかねない、こうした行為が確認されれば、懲戒処分をはじめ厳正な対応で臨む方針だ。現場に混乱が生じないよう、徹底を図ってほしい。

 指針は、二つの冤罪事件を教訓としている。被告十二人全員の無罪判決が確定した鹿児島県の選挙違反と、富山県の女性暴行誤認逮捕だ。一日十三時間を超す取り調べや、脅しのような言動による「自白」の強要。客観的証拠による裏付け捜査の甘さ…。親族の名前などを書いて踏ませた「踏み字」で自白を迫ったとして、特別公務員暴行陵虐罪に問われた元鹿児島県警警部補には、きのう懲役十月が求刑された。

 こうした多くの問題点があっただけに、厳しい内容にせざるを得なかったのは当然だろう。

 ただ、決して十分ではない。取り調べ過程をすべて録音・録画して可視化すべきだという日弁連などの提案は取り入れられなかった。組織犯罪や知能犯など、なじみにくいケースも考えられよう。しかし自白偏重の捜査手法と内部チェック機能の不備という冤罪を生む土壌にメスを入れるためにも、積極導入すべきではないか。

 鹿児島の事件では、「無理な捜査の進め方ではないか」と警察内部で異を唱えた人が逆に非難されたことがあった。検察の段階でも、事実関係の矛盾から起訴に強く反対する意見があったが、結果的に警察の「暴走」を追認することになった、という。

 捜査に行き過ぎがあった場合、指針が示している警察内部の、いわば身内による監督・監視で防げるのか。実効性を確保するには、検察とも違う第三者によるチェック機関設置の検討も欠かすことはできまい。

 一般市民が殺人など重大な刑事裁判の審理に加わる裁判員制度が来年春スタートする。審理の基盤となる捜査に対する国民の信頼を回復するためにも、さらに透明性を高める努力が必要だ。


------------------------------------------------
■「捜査に行き過ぎがあった場合、指針が示している警察内部の、いわば身内による監督・監視で防げるのか。実効性を確保するには、検察とも違う第三者によるチェック機関設置の検討も欠かすことはできまい」とあるとおり、警察自体に自浄作用なんぞ期待できるはずがない。■要するに、今回の「取り調べ指針」とは、「取り調べ過程をすべて録音・録画して可視化すべきだという日弁連などの提案」をかわすための、くるしまぎれの演出にすぎないだろう。
■おなじく『北海道新聞』から。


取り調べ指針 身内の監督で大丈夫か(1月25日)
 鹿児島、富山両県警で昨年、取り調べをめぐる不祥事が相次いだことを受け、警察庁が「取り調べ適正化指針」をまとめた。

 全国の警察本部に、取り調べ状況を監督する部署を設けることが柱だ。深夜や長時間の取り調べを禁止する措置も盛り込んだ。

 「密室」と批判される取調室に監督制度を導入する初の試みだ。うまく機能すれば、捜査の透明性と信頼性を高めることになるだろう。

 ただ、監督する部署は同じ警察組織内に置かれる。身内のチェックだと、対応が甘くならないか、懸念が残る。

 「指針」が形だけの再発防止策になれば、警察への不信感が増すだけだ。

 新たな監督部署は、警務・総務部門に設けられる。「刑事の聖域」とされる取調室に透視鏡を設置し、不適正な取り調べがないかをチェックする。

 問題は、どのような行為が不適正なのか、判然としないことだ。

 「指針」は、「監督対象行為」として、「容疑者の尊厳を著しく害する言動」や「不安を覚えさせ、困惑させるような言動」などを列記している。

 「尊厳」や「不安」をどう受け止めるかは、捜査員や監督者の主観に委ねられる。恣意(しい)的判断が入り込み、捜査部門と監督部署が対立して、あいまいな決着になることも予想される。

 「指針」と合わせて、警察庁は、鹿児島、富山両県の冤罪(えんざい)・無罪事件についての「検証報告書」も発表した。

 「自白に頼りすぎた捜査」や「強圧的な取り調べ」を問題点として指摘した。これを防ぐため、「指針」は、不適正な行為があれば、懲戒処分の対象とする措置を打ち出した。

 だが、これが十分に機能するためには、監督者の権限を明確化し、警察組織内部での独立性を担保することが前提となる。「指針」は、そこまでは踏み込んでいない。

 監督者が、不適切な行為だと判断して報告すれば、容疑事実が立件できなくなる可能性もある。身内に厳しい姿勢を示せなければ、制度が有名無実化するだけだろう。

 警察庁は、日本弁護士連合会などが求めている取り調べの録画・録音について、導入を見送った。

 カメラなどが入ることで、捜査対象者から供述を引き出しにくくなるという理由だ。

 警察庁は、この監督制度の導入によって、可視化の議論に決着をつけたい意向だ。

 だが、鹿児島、富山両県警事件の背景には、取り調べの密室性とその弊害があったことを忘れてはならない。

 日弁連は、取り調べの可視化を強く要求している。警察庁が、可視化なしでも大丈夫だと言うのなら、その理由と具体策を日弁連に説明し、新制度の実効性を立証していく責務がある。

------------------------------------------------
■「カメラなどが入ることで、捜査対象者から供述を引き出しにくくなるという理由」をあげて可視化を拒否しというが、密室でやりたい放題だった取調官が「供述を引き出しにくくなる」ということだろう。深夜とか長時間にわたる連続攻撃ないし波状攻撃、おどし・すかし・誘導など、悪名たかいね。■透視ガラスの導入とかいった報道もみみにしたが、監視しているのが、第三者や被疑者がわの弁護士らではなく、おなじ警察のものなのだから、意味がない。■したがって、「警察庁が、可視化なしでも大丈夫だと言うのなら、その理由と具体策を日弁連に説明し、新制度の実効性を立証していく責務がある」というが、無意味な提言といえそうだ。できっこないんだから。


●『取調べ可視化 最前線
●『取調べの可視化ホームページ
●「適正手続(裁判員・可視化など) 」『情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)』
●「日弁連 取調べの可視化(録画・録音)実現
●「日弁連 「取調べの可視化」についての意見書
●Google「取調べ 可視化」検索結果
●旧ブログ「可視化」関連記事
●本ブログ「可視化」関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 刑事事件・裁判関連ニュース - ジャンル : ニュース

<< 本当に当局は変死の遺体解剖をのぞんでいるのだろうか? | ホーム | 学力上位者に補習が差別的でないという論理2 >>


コメント

『法学教室』8月号の

8~13ページに「取調べの適正化」というネタもとい記事があります。
結論部は以下のとおり。

取調べの適正化のステップとして、まずは検察と警察による一部録画方式の実施結果及び警察の行う内部監督制度等の運用結果に関する情報が開示される、その検討を進めることと、その録画による任意性判断に関する裁判例を検討することが、当面は重要な課題となろう。その上で、これを立法に反映させて基準の明確化を図るとともに、取調べ以外の操作方とこれに伴う証拠法の検討を進めつつ、さらに制度の拡充を図っていくべきであろう。いずれにせよ、現在、取調べの適正化に向けた取組みが前進していることは確かなのであるから、その歩みを鈍らせてはならない。

保守的な検察・警察にのませるには、とりあえず一歩前進、ってことなんでしょうが…

検察と警察による一部録画方式」が、当局による密室での恣意的編集をゆるす危険性について、このあまい認識=能天気は信じがたい、というほかありません。■田島陽子氏が、タケシをコテンバンにやっつけている部分は全面カットされていたなんて、テレビのはなしは有名なのに、なんで、性善説にたつんでしょうね。警察/検察=性善説にたつんなら、冤罪なんておきないことになるし、だったら、警察・検察・裁判所の分業など不要で、「江戸町奉行」で充分ですね(笑)。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)


取調べ可視化試行「一部だけ、無意味」…志布志元被告ら不満の声(読売・鹿児島)

取調べ可視化試行「一部だけ、無意味」  …志布志元被告ら不満の声  警察庁が3日、容疑者の取り調べの過程の一部を録音・録画(可視化)...


 BLOG TOP 


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。