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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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「植物状態」判定,ALS,グレゴール・ザムザ(カフカ)

■旧ブログ記事「ALS 不動の身体と息する機械」(→http://tactac.dreamlog.jp/archives/51656132.html)などとの関連記事。

■『Ashley事件から生命倫理を考える』から。


23年間“植物状態”とされた男性が「叫んでいたのに」(ベルギー)
   2009/11/24(火) 午前 10:56 切り捨てられていく障害児・者 倫理学
ベルギーで1983年に交通事故に遭い脳に損傷を負ったRom Houbenさんは現在、46歳。

3年前まで23年間ずっと永続的植物状態にあるとされてきた。

当初、医師は
世界中で患者の意識状態を判定する基準とされるグラスゴー・スケールを使い、
Houbenさんの意識は「消滅している」と判断した。

ところが、3年前に神経学の世界的権威 Dr. Steven Laureysが
彼の脳をハイテクでスキャンしたところ、
Houbenさんの脳機能はまったく正常であることが判明。

Houbenさんは病院で暮らしながらパソコンを操ってコミュニケートできるようになった。

事故直後に植物状態と診断された時のことについてHoubenさんは
「叫んだのに、声にならなかった」
「夢を見ることで逃避した」

23年間「ずっともっといい生活を夢に見つづけていた。
フラストレーションという言葉では私が感じたものを表現するには足りない」

やっと意識が清明であることを分かってもらえた時のことは
「まるで第二の誕生のよう」だと語り、
これからはPCを使って周りの人とコミュニケーションをとりながら
楽しく生きて生きたい、と。

Laureys医師は、
やっとテクノロジーが彼に追いついたのだといい、
世界中で同様に間違って診断されているケースがあるはずだ、と。

‘I screamed, but there was nothing to hear’: Man trapped in 23-year ‘coma’ reveals horror of being unable to tell doctors he was conscious
The Daily Mail, November 23, 2009


Laureys医師はテクノロジーが追いついたのだと言っていますが、
テクノロジーが発達したから間違った診断が判明したのでしょうか。



このブログでAshley事件の当初から主張してきているように、
本当に科学的な思考をするならば、
意思や感情の表出能力が限られている人の場合には
「分かっていると証明できない」ことは
「分かっていない」と証明されたこととイクオールではなく、
「分かっていない可能性も分かっている可能性もある」ということに過ぎないのに、

「分かっていることが証明できなければ、分かっていないのだ」という
非科学的・非論理的な結論が当たり前のように導き出されることが
そもそも最初から不当なだけじゃないのでしょうか。

ちなみに、この記事によると、
20年前にニューヨークの86歳の女性 Carrie Coonsさんが、
1年間の昏睡から覚めて食べ物を口にし、会話をしたのだけれど、
その数日前に栄養チューブを抜くよう求める家族の希望裁判所が認めていたのだとか。


ベルギーといえば、自殺幇助が合法化されている国の1つ。

Houbenさんが、PCを通じてコミュニケーションをとりながら、
これからも前向きに生きて生きたいと喜びを語っていることが
彼のような状態を「QOLが低い」ので「生きるに値しない」と
捉え始めている最近の「死の自己決定権」議論にも、一石を投じてくれれば。



【関連エントリー】
「わかる」の証明不能は「わからない」ではない(2007/9/5)
「植物状態」5例に2例は誤診?(2008/9/15)
「意思疎通できない」という医療基準のコワさ(2009/2/9)
「コミュニケーションの廃用性」について(2009/9/10)


【関連エントリー・個人的な体験から】
ミュウさんの動物識別能力
その人なりの分かり方・その人らしさの匂い

【関連エントリー・A事件でのコミュニケーションの問題】
Ashleyの眼差し
Ashleyのカメラ目線
Anne McDonaldさんの記事
Singerへの、ある母親の反論

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■「差別論ノート11」(→http://tactac.dreamlog.jp/archives/51656443.html)、「オーウェル『1984年』私論2」(→http://tactac.dreamlog.jp/archives/51656298.html)などでもかいたとおり、意識があっても それを表明できない状況、ないしは、表明があるのに 関係者が それを理解できないことがある。
■さらには、意識水準をどの程度まで、「人権」とみとめるのか、といった根源的な問題もある。乳幼児は、どこから「人格」なのか? 認知症や意識障碍をはじめとする知的障碍状態を、どうみなすのか? 薬理作用・医療技術の実験にさらされる動物、食肉用に肥育される動物の「意識」を、どう位置づけるのか?
ピーター・シンガーらの提起を、人間中心主義からのがれられない人間存在を無視した偽善的独善論と、きってすてられるのか? ■尊厳死とか自殺幇助問題、脳死判定などは、そういった深刻な問題群ときりはなせない。


arsvi . com (生存学)
 ・尊厳死
 ・安楽死
 ・自殺幇助
 ・脳死
 ・ALS
 ・植物状態
 ・意思疎通
 ・シンガー
 ・動物実験


●LifeStudies.Org/JP(http://www.lifestudies.org/jp/
●生命学ホームページが推薦する注目サイト(http://www.lifestudies.org/jp/link01.htm
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コメント

「植物状態」の患者に意識あり 脳スキャンで判明と(CNN)

2月5日16時15分配信 CNN.co.jp
ロンドン(CNN)
 植物状態と診断された患者らに質問を投げ掛け、脳の反応を機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で調べる研究で、一部の患者に意識のある兆候が見られた。英ケンブリッジ大とベルギー・リエージュ大の研究者による共同チームが4日、研究の成果を発表した。
 チームは3年間にわたり、植物状態にあるとされる患者23人を対象に研究を実施。「あなたのお父さんの名前はトーマスですか」など、「はい」「いいえ」で答えられる項目を尋ね、fMRIで脳の活動の変化をみた。
 健常者の脳をこの方法で調べた場合、質問に対する答えと100%一致する反応が得られる。チームの研究では、全体の17%に当たる4人の患者が、質問に反応を示したという。
 特に、29歳のベルギー人男性の脳からは、はっきりと「はい」「いいえ」に相当する変化が読み取れた。この男性は2003年の交通事故で頭部に重傷を負い、こん睡状態に。外界との交流が一切途絶え、2005年には植物状態に陥ったとの診断を受けていた。
 チームのメンバーは、「fMRIによって植物状態でないことが分かっただけでなく、この患者が診断以来初めて、外界に意思を伝える手段を得たことに大きな意味がある」と話している。この方法は将来、意志疎通の手段を失った患者たちのケアや治療に重要な役割を果たすことが期待される。
 ベルギーでは昨年末、23年前の交通事故で植物状態に陥ったと誤診されていた男性に意識があることが判明。男性はコンピューターのキーボードを通して「叫びたかったが声が出なかった」などと訴え、注目を集めた。
最終更新:2月5日20時39分



●ウィキペディア「遷延性意識障害」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%B7%E5%BB%B6%E6%80%A7%E6%84%8F%E8%AD%98%E9%9A%9C%E5%AE%B3
●ウィキペディア「fMRI」(http://ja.wikipedia.org/wiki/FMRI

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