米農務省:差別発言で解雇の女性再雇用 ビデオ改ざん発覚 【ワシントン小松健一】米農務省のジョージア州農村開発局長の黒人女性が講演で白人に対する人種差別発言をしたビデオが今月19日、保守系のブログに掲載され、農務省は同日、女性を解雇した。ところが、ビデオは巧妙に編集されていたことが分かり、ビルサック農務長官は21日、女性に電話で謝罪し、再雇用を約束した。
オバマ政権発足から1年半で白人保守派と黒人リベラル派の間で人種を巡る対立が深刻化。11月の中間選挙を控えて、神経質になっているオバマ政権が保守派の策略にはまった格好となった。
女性はシャーリー・シェロッドさん(62)。3月に「全米黒人地位向上協会(NAACP)」の講演で「白人の農場主から農地差し押さえを回避するための相談を受けたが、(白人だから)全力を尽くさなかった」と発言したビデオ(約2分間)がブログに掲載された。
しかし、45分間にわたる実際の講演は、シェロッドさんの父親が65年に白人に殺害された経験を踏まえ、若いころは白人嫌いだったとのエピソードを紹介。農務省に就職後は「白人と一緒に働くうちに、人種とは関係なく貧しい人々を助けることが私の使命だと思った」と述べ、人種問題の克服を呼びかけた。ビデオは保守派の都合のいいように発言をつなぎ合わせていた。
NAACPは全米で勢いづく保守系草の根運動「ティーパーティー」に対して、「白人の差別主義者が入っている」と非難しており、ビデオを編集したブログ主宰者は米メディアにNAACPへの意趣返しと認めた。
しかし、保守派の工作が判明したのは、火消しに躍起となった農務省がシェロッドさんの言い分を聞かず、退職に追い込んだ後だった。ホワイトハウスのギブス大統領報道官は21日、「彼女にひどい仕打ちをしてしまった」と謝罪。シェロッドさんはCNNテレビに「政府の謝罪を受け入れる」と語り、再雇用に応じる意思を示した。
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毎日新聞 2010年7月22日 11時08分--------------------------------------------
■すごく あたまのわるい戦術だとおもうんだが、こういったことをしてまでもジャマだてするというのは、「そのぐらいしたって かまわない」という感覚があるんだろうし、「このぐらいしたって、『
白人保守派』の動員力はおちない、って、たかをくくっているんだろう。■要するに、敵味方関係なく、こばかにしているのであり、どうしようもなく低劣な連中が まだ はびこっている、ってことだ。
■そういえば、いわゆる
「ジェンダー・フリー」バッシングのときの、保守派・右派の攻撃というのも、論理もデータもない、実にデタラメで卑劣なやりくちだった。性教育で刺激しているだの、男女混合できがえさせようとしているだの、いろいろ、「あることないこと」ではなく、「ないことだらけ」の反対キャンペーンだった。■でもって、そういったバッシングによって、いろいろ施策がとまったり、まえもどりしてしまってケースがたくさんあったようだから、要するに、そういった 卑怯で デタラメな てぐちが、功を奏したということ、つまり、一定の影響力をもってしまったってことだよね。
■かんがえてみると、らちされたひとびとに、「自己責任」だのといって、おそいかかったり、公権力にまっとうに抵抗しようとした農民や組合員を過激派よばわりしたり、デタラメが通用する国というのが、いまだに なくならない。
マッカーシズムとか、
大粛清とか、権力をにぎっている連中は、ウソをタレながして、敵対勢力をツブすのを、なんともおもっていない。■権力をにぎっていなくても、このブロガーだとか、「
新しい歴史教科書をつくる会」周辺の「反日」追放キャンペーンだとか、事実に即さなかったり、事実の一部をつごうよくキリバリして、デタラメを演出する連中がいる。■要するに、権力と、それをささえる「草の根」とが連動して、いろんな悪事をはたらく。
テーマ : アメリカ合衆国 - ジャンル : 政治・経済
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