■「
Googleは撤退し百度はクラックされる(山谷剛史の「アジアンアイティー」)」 (01/16)、および「
天安門事件の写真閲覧可能に=グーグルが中国で自主規制解除か(時事)ほか」 (01/15)など、Google撤退騒動問題と、一応関連する記事。■『朝日』の先日の記事から。
中国初のゲイ大会、警察介入で直前中止『朝日』2010年1月16日22時9分
「中国初」のゲイ大会が中止になり、混乱する会場
=15日夜、北京市内、市川写す
【北京=市川速水】北京市内で15日、初めて中国の男性同性愛者が「公式」に集う大規模な大会が企画されたが、開始直前に乗り込んできた警察によって「違法な集会だ」と中止させられた。大会を機に差別や偏見をなくしていきたいと言っていた人々に対し、当局が実力行使でストップをかけた。
「ミスター・ゲイ・ページェント」と題し、大きなバーの一角で8人の出場者から世界大会出場者を決めるもので、観客として200人以上の同性愛者が詰めかけた。中国の英字紙も事前に好意的に取り上げたが、ネットでは出場者への中傷も目立った。
主催者によると、開幕1時間前に当局者が来て「集会なのに許可がない」と中止を決めた。「集会でなくパーティーであることはみんな知っている」と反論したが一方的に解散させられた。出場するはずだった北京市の会社員は「中国の同性愛者は小国の人口よりも多い。中止は残念だが、無理解を恐れずゆっくりとイメージの改善を世界に訴えていきたい」と話した。----------------------------------------
■事実上の「大会」を「パーティー」といいはるのは、ムリがあるだろうが、「開幕1時間前に当局者が来て「集会なのに許可がない」と中止を決め…一方的に解散させられた」というのは、現代中国が 近代日本の
集会条例や
治安警察法による集会規制と同質の段階にあることを、しめしている。■要するに、新憲法下の日本の政治権力のような自信をもちえていない中国共産党の正統性の不安定ぶりをウラがきしているわけだ。
■「中国の英字紙も事前に好意的に取り上げた」という以上、ホンコンなどの媒体なのだろうが、当局に内密に隠密集会を企画していたわけでなく、公然と集会を企画したわけだ。■ゲイの「世界大会出場者」とは、一体なにを目的にした「大会」なのか(政治主張なのか、弁論大会なのか、性的魅力コンテストなのか、…)よくわからないが、同性愛者が マイナーな性的指向を共有する集団として結集する、という集会の実態自体が、政治性をおびるのであり、充分当局にとっては危険なのだろう。■当局にとって、このましくない集会であるなら、事前に主催者に圧力をかけて中止においこむ。可能なら、集会予定が公然化するまえに つかんで、未然に封じこめるのが得策というものだろう。それができなかったのは、当局として「ふてぎわ」であろうし、直前に強制的に解散においこんだとなれば、「ああ中国共産党政権には、自由を容認できない独裁体質が依然強固」という、マイナスイメージが再確認されるだけだろうに。
■いずれにせよ、「中国の同性愛者は小国の人口よりも多い」という現実があるのなら、旧ブログ「
やっぱり巨大だった東京圏」とか、本川裕氏による『
社会実情データ図録』の「
図録主要国と都道府県の経済規模(GDP)順位」などがしめすのと同様、超大国中国の一部は、大都市だけでなく、結集したマイノリティなども、「世界的存在感」に達してしまう、という現実をしめしている。■ことは、そういった「巨象」を「飼育」しようとしてきた独裁政権にとってだけでなく、世界中のマジョリティにとっても、中国大陸内の「少数派」は、無視できない存在となりえるということだ。やはり、10億人超という母集団からでてくるのは、「少数派」でも、ハンパじゃない。「少数派」っていうのは、あくまで相対的なものだからね。
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