一人親世帯の貧困率54・3%、OECDで最悪 厚生労働省は13日、日本の一人親世帯の「相対的貧困率」(2007年)が54・3%に上るとの調査結果を発表した。

母子家庭や父子家庭などの半数以上が貧困状態にあることになり、経済協力開発機構(OECD)の集計では、加盟30か国中で最も高い。同省は10月に国民全体の相対的貧困率を15・7%と発表したが、一人親世帯が貧困率を押し上げていることがうかがえる結果となっている。
相対的貧困率は、国民の所得を順番に並べた時に、真ん中の人のさらに半分の額を「貧困線」と定め、それに満たない人の割合を示したもの。今回貧困線は、07年の国民生活基礎調査を基に114万円とされた。
今回は、世帯主が18歳以上65歳未満で子どもがいる家庭を調べた。一人親世帯の貧困率は1998年の63・1%よりも8・8ポイント、04年の58・7%からは4・4ポイント改善したが、記者会見した山井和則政務官は「労働者全体の賃金が下がっており、相対的に貧困率が改善しているだけ」と説明した。大人が2人以上いる世帯の場合は貧困率は10・2%で、一人親世帯との差が大きかった。07年の母子世帯数は約71万7000世帯、父子世帯数は約10万世帯。
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母子家庭はより苦しい厚生労働省が13日に発表した一人親世帯の相対的貧困率54・3%という数字は、一人親世帯が抱える問題を解決することが日本の貧困問題にとって極めて重要であることを示唆している。
一人親世帯の半数以上が「貧困状態」となっている国は、経済協力開発機構(OECD)加盟30か国の中では日本だけだった。中でも、母子家庭の生活は苦しい。厚労省の2006年度の調査によると、母子家庭の母親の雇用形態は、パートなどが43・6%と、正社員などの常用雇用の割合(42・5%)より多い。父子家庭の父親の72・2%が常用雇用で働いているのとは対照的だ。
母子家庭になって残業や出張ができず、正社員をあきらめるために生活が困窮する例も多い。母子家庭の母親にとっては、子育てと仕事の両立が難しい現実は大きな壁だ。
生活保護の母子加算が12月から復活するのに加え、来年度から高校授業料の実質無償化を目指すなど、鳩山政権は子育て家庭への配分を増やす政策を打ち出している。しかし、一人親世帯の貧困率を改善するためには、働き方を含めた広い視野での対策が急務だ。
(本田克樹)
(2009年11月13日21時53分 読売新聞)------------------------------------------
■「
同一労働同一賃金」原則をまもらない、女性差別の根源は、オトコたちの
ミソジニー(
女性嫌悪)にあるとおもう。女性の結婚依存とか出産育児が職業生活にさしつかえる≒オトコとの出世レースに でおくれる、というのが「通念」だろうけど、それこそ合理化というか、無能なオトコたちへの優遇措置の正当化のために、そういった女性のライフコースをもちだしているだけだとおもう。■20世紀後半以降の経済先進地域から、肉体労働の比率なんてのは、さがりつづける一方で、マッチョな能力が要求される時空なんて、「現場」とか「戦場」とか、競技場とか、実にかぎられているんだから。オフィスでなんて、残業とか以外に、体力差がモノをいう領域なんて、ほとんどない。
■オトコたちは、女性たちの人生上の「選択肢」≒主婦生活や出産・育児とか趣味生活とかが、うらやましくってしかたがない。「不妊の性」であるオトコたちは、家事・育児・趣味などを不当におとしめ、あるいは、奇妙にもちあげるかたちで、女性たちを労働現場から、しめだした。「
同一労働同一賃金」原則をまもらないでいいようにね。
■自分たちが利用している、売春なども、その一環として侮蔑する。カネをださないとオンナがよってこない、ってのは、魅力がない証拠なんだが、ともかく、「オンナはカネでかえる」という原則を一所懸命確認して、「オトコは、オンナより、うえだ」という幻想にしがみつく。完全な「女性嫌悪」にして、「女性依存」。
上野千鶴子たちのいう、「オンナからの逃避」「オンナへの逃避」原理こそ、オトコの人生というか、異性愛男性の人間観。
■しかし、「
負け犬の遠吠え」(
酒井順子)とかでもわかるとおり、女性の相当部分は、結婚や出産と無関係な半生をおくる。かのじょたちが、「
同一労働同一賃金」原則をかちとれないのは、単純に差別になる。で、実際にそれがおきている。■そして、それが、こもちのばあい、ロコツな差別の集中さきになる。「
母子家庭になって残業や出張ができず、正社員をあきらめるために生活が困窮する例も多い」っていうけど、残業や出張をしないと、職場がまわらないようなシステムがユガんでいる。要するに、一人身か、「主婦」役割のサポーターがいないかぎり、つとめられないような職場(「戦場の論理」)が「標準」化されていて、ユトリのある人生なんてのは、ハナから想定されていないってこと。家事・育児・趣味がちゃんとできるような人生をおくりたかったら、カネのあるパートナーに経済的に庇護されていきろ、ってのが、この列島の基準なわけだ。
■だから、こうしてみてくると、
一人親世帯の貧困率問題ってのは、貧困問題だけじゃなくて、女性差別って問題の象徴だってこと。そして、この列島が、カネもちかもしれないけど、経済先進国なんかじゃなくて、おそろしく ふるくさい経済システムの空間にとどまっているということ。
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テーマ : このままで、いいのか日本 - ジャンル : 政治・経済