■「
産科医減少「少子化の反映」 柳沢氏答弁に医師反発(朝日)」「
小児科医の過労自殺訴訟、厚労省が控訴断念 労災認定へ(朝日)」
「自殺の女性医師は「過労死」 愛媛の病院側に賠償命令(朝日)」など、旧ブログ記事で何度かとりあげた、臨床医の過労問題の続報。■1週間ほどまえの「毎日」の記事を転載。
産科医:大学病院の在院、月312時間 過労死基準超す実態--日産婦、初の調査
大学病院の産科医の在院時間は、1カ月間に平均312時間に及ぶことが、日本産科婦人科学会の初の調査で分かった。当直(夜間勤務)のある一般病院は平均295時間で、そのうち時間外勤務は平均123時間だった。厚生労働省の過労死認定基準が目安にする「1カ月100時間の時間外労働」をはるかに超えており、厳しい勤務実態が浮かんだ。
調査は全国の大学病院や一般病院約750施設を対象に実施。回答した産科医計633人に、昨年5~11月の任意の1カ月間、全出勤日の出退勤時間を報告してもらい、在院時間を計算。また、退勤後も分娩(ぶんべん)などにすぐに対応する待機時間(オンコール)も調べた。
その結果、大学病院の医師の在院時間は最大で505時間、大半の医師は238~386時間だった。当直回数は平均月4・9回、最も多い医師は月18回にも上った。当直のある一般病院では最大在院時間は428時間、大半の医師は234~356時間で、オンコール待機も平均88時間。当直のない病院では在院時間は平均255時間だったが、オンコール待機は平均166時間に上った。
いずれの施設でも男女とも29歳以下の在院時間が最も長く、大学病院では平均383時間に及んでいた。同学会は勤務時間について、小児科医より若干長く、外科医とほぼ同じと分析している。
調査を実施した海野信也・北里大教授(産婦人科)は「病院勤務の産科医は仕事がきつく、希望者が少ないといわれてきたが、今回の調査で厳しい勤務実態を事実として明らかにできた。国民への医療提供を維持するため、改善策を考えたい」と話している。【江口一】
毎日新聞 2009年6月4日 東京夕刊----------------------------------------
■こういったことを やめないかぎり、産科医志願者はへりつづけるし、実働部隊も漸減、いや急減する。■当然、妊娠・出産を予定する世代の女性たちの心理に重大な影響をあたえる。30代出産に重心が移行しつつある現在だが、30代後半での第一子出産ともなれば、とても不安になるだろう。正常分娩ばかりではない妊娠・出産の実態。
「35歳以上のお母さんの羊水は腐ってくるんですよね」発言が、非知性的な妄言=疑似科学であることは、すぐみやぶれるにしても、不安はみんなかかえていることだろう。
■授乳のメドがついた時点で 職場に復帰できることはもちろん、充分な託児サービスが保証されなれば、
少子化にはどめがかかることなんて絶対にないが(だって、学費をふくめた育児負担がおもたいんだから)、産科医の窮状がつたえられ、産院がへっていく現状がのこるかぎり、施策のほとんどは無意味といっていい。
テーマ : これでいいのか日本 - ジャンル : 政治・経済
タグ : 安全少子化産科