■「
にほんごを アルファベットで かくこと1」および、その前段にあたる、「
Roomazi-de Nihongo-o kaku」のつづき。
■(6) 「日本語をローマ字がきしたら、外国語がどんどん流入し、それがかく乱要因になる」といった、不安を強調する論者がいる。たしかに、はなしことばの バイリンガルの実態をみれば、オトをうつしとるモジ体系は、一見同質な要素として、「外国語」を とけこませるように みえるかもしれない。■そのときに、たとえば、「外来語」が カタカナがきされていたのが、「原語」が そのまま くりこまれるといったことに、非常な不安をおぼえているようである。■しかし、バイリンガルにおける混用が、いわゆる めまぐるしい あるいは劇的な「コード・スイッチング」によるものであって、異種の2言語が融合するといった現象は、マレだろう。たとえば、自分の語学力をはなにかけたいのか、日本語をはなすなかに、「原音」をまぜる話者がいるが、それとて、ある単語ないし慣用句に関してだけ、一時的に「外国語」が はさまるだけで、途中で何度か支配的モードがかわることで、言語的転換があるにしても、たとえば 音韻が融合してしまうといったことは、ありえないだろう。
■たとえば、“Kuruma-o
bak-saseru”といった発音をする話者がいるとしても、そういった発話と“Kuruma-o
bakku-saseru”という表記と識別するために、なにか さいくがいるか? ■“
bak”と、イタリックにしてもいいし、イングランド語がはいっているということを あらわすために、おなじく イタリックで “Kuruma-o
back-saseru”とかいても、かまわないだろう。■その際、イングランド語の母音が多数あり、[a]と[e]の中間的な発音を話者がえらんでいたにしても、既存の母音記号5種という原則をすてさらないかぎり、どうせ識別できないし、する必要もなかろう。どうしても、そういった「原音」性を、表記したい(しかも、母音記号5種という原則をすてさらないのなら)、“
baek”といった、当座の母音記号をもちだしてもよかろう。イタリックによって、一般的ではないことを、表示しておくなどすれば、問題なかろう。
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