■『
うらそえ文藝』の最新号がでた。
■読者によりけりだとおもうが、やはり 「めだま」は、特集の「
対談 集団自決をめぐって」(
上原正稔・
星雅彦)の衝撃力だろう。
■さっそく 右派系のメディアは、おおよろこびで とりあげている(
“うらそえ文藝」による証言と手榴弾の論考”)。■いわゆる
“慶良間諸島”で
“集団自決”せよという、軍命が「なかった」ことが、そんなに うれしいらしい。■
大江健三郎・
岩波書店といった、リベラル系ブランドをねらいうちした、訴訟で、右派のギャラリーたちは、さかんに 当事者たちの名誉のことを とりざたしていたが、なんのことはない、帝国日本の末端が、明確な指令をだして、死にいたらしめなかったらしいという「事実」が確認できれば、「安心」できるのだった。
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旧ブログ記事集団自決」関連記事、およびこの日記の
「集団自決」関連記事で、再三かいたとおり、問題は、明確な指令があったかどうかではない。「明確な指令」がなかったからといって、帝国日本と、日本軍の名誉が回復されるわけでもない。
■かりに 明確な命令がなかったにしろ、そして、じもとで召集された防衛隊員たちや村の首脳部が「玉砕」をのぞみ、赤松隊長にそれを制止されたとか、手榴弾の供給をことわられたとか、梅澤隊長に いきのびるように説教されたといった証言が、かりに事実にせよ、日本軍が現地住民を、そういった心理においこむほど絶望的な状況にまきぞえにした事実は、全然きえない。■「制止」とか「拒絶」といったことで 良心的にふるまったつもりであれ、それまでの現地「守備隊」の無責任な作戦・行動が、「自決」を当然視する構造的暴力となって 現地を支配していたのであり、赤松隊長らの言動をいくら 好意的にふりかえろうと、無意味なのである。
■しかし、右派たちは、
“赤松嘉次”・
“梅澤裕”という、もと軍人たちが、「援護法」でむくいるために 自決命令をだしたという虚言につきあったという美談をさかんに、ほめたたえ、あたかも 現地の守備隊や背後の大本営などが、名誉と至誠にみちた組織であったかのような妄想を再構築しようとしている。
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テーマ : これでいいのか日本 - ジャンル : 政治・経済
タグ : ナショナリズム真理省1984年沖縄戦証言