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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

前ブログ: 『タカマサのきまぐれ時評

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こんな知日派が、日本にとってのぞましいってのは…

■旧ブログ記事「軍事植民地としてのニホン/オキナワ」、および「半植民地 オキナワ2」の関連記事。■『日経』の記事を転載。


“米国務省日本部長、メア駐沖縄総領事起用で調整”

 米国務省が対日政策を統括する日本部長に、ケビン・メア駐沖縄米総領事を起用する方向で最終調整していることが28日、外交筋の話で明らかになった。メア氏は日米間の安全保障問題に精通する知日派で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題など在日米軍の再編協議にもかかわってきた。着任は夏ごろになる見通し。前任のダニエル・ラッセル氏はオバマ政権の発足に伴い、ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)に転出した。(ワシントン支局)(16:33)
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■あのなあ。「メア氏は日米間の安全保障問題に精通する知日派で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題など在日米軍の再編協議にもかかわってきた」だと? まるで、日本人おもい、沖縄人おもいの、いいヤツみたいじゃないか?(どんなツラしているかは、「軍事植民地としてのニホン/オキナワ」をよくみればよい)

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テーマ : これでいいのか日本 - ジャンル : 政治・経済

タグ : 在日米軍再編ケビン・メア普天間飛行場駐沖縄米総領事

【転載】とよなか国際交流センター移転問題

■「国際児童文学館(吹田市)」につづいて、大阪の「財政再建」ネタ。■今回は、豊中市のケース。


■「とよなか国際交流センター移転問題」ってブログができている。■その「活動趣旨(かつどうしゅし)」を転載。



008年08月18日00:13

活動趣旨(かつどうしゅし)
 とよなか国際交流センター(以下センター)を、豊中市男女共同参画推進センターすてっぷ(以下すてっぷ)の6階に移すという計画を、豊中市が提案されています。
 とよなか国際交流センターの指定管理者であるとよなか国際交流協会は、地域に住む外国人や外国にルーツを持つ子どもたちを対象に、相談事業、にほんご教室、多文化保育、学習支援や母語などの事業を行っています。また地域の国際交流を目的とするグループや外国人の自主グループがセンターを活発に利用しており、センターは地域の多文化共生のセンターとなっています。
 ところが豊中市は、駅前にある男女共同参画推進センターすてっぷの利用率が低いので、「すてっぷの有効活用」を目的として国際交流センターを移転すると言っています。いわば国際交流センターとすてっぷを二戸一にして利用率を上げようというわけです。
 ステップから見ればこれは縮小です。

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タグ : にほんご教室多文化保育多文化共生

「日本人」の連続性問題再論

■一年ほどまえの記事「鎌倉時代の列島住民≒現代日本人って情報がそんなに重要か?」「DNA情報による「ルーツさがし」の動機」を ひさしぶりによんだので、おもいだしながら(ムリだけど) 補足記事。

■とりあえず、「鎌倉時代の列島住民≒現代日本人って情報がそんなに重要か?」へは、トラックバック記事=Wallerstein氏が「鎌倉時代人と現代日本人」という文章を再掲【Wallerstein氏の原文のリンクは、念のためキャッシュ情報に】。

タカマサ氏のブログ(「タカマサのきまぐれ時評2 鎌倉時代の列島住民≒現代日本人って情報がそんなに重要か?」)経由。

元記事はこちら(「asahi.com:鎌倉時代人と現代日本人、ミトコンドリアDNA同じ特徴 - 文化一般 - 文化・芸能」)。

元記事を要約すると次のようになるだろう。


今日の日本人は、古くから列島に暮らしていた縄文人に、大陸から渡ってきた弥生人が合わさり誕生したと考えられており、両者の融合はいつごろから進んだのか、という日本人の形成をめぐるなぞに、遺伝子の面から一つの回答が示された。鎌倉時代に関東地方に住んでいた人々のミトコンドリアDNAの特徴は現代人とほぼ同じだというのだ。これまで「顔立ちが独特で不可解な存在」とされてきた中世人。その成り立ちが最新の科学技術によって見えてきた。鎌倉時代の鎌倉に日本人が住んでいた――一見当たり前とも思える結論だが、人類学において中世人は顔立ちの違いから不可解な存在だとされてきた。その違いをめぐり議論が続き、縄文人に似ているとして、縄文人の子孫ではと主張する研究者もいたが、古い時代から現代まで列島の人間は遺伝的に連続している可能性が高いことが今回の研究から裏付けられた。DNAは、私たち日本人とは何なのかということを考える切り口になるはずである。

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タグ : ナショナリズム

【転送】第三回手話講師養成セミナーのご案内

第三回手話講師養成セミナーのご案内

 聴覚障害者対象に手話の指導方法を学ぶセミナーを開催します。手話を学んでいる難聴者や健聴者の皆さんも聴講生として参加できます。田舎ならではのアットホームなセミナーです。内容的にもきっとご満足いただけると思います。お近くの方ぜひご参加ください。
※手話通訳(手話→日本語)はつきませんが、講義時はスライドがございます。

独立行政法人福祉医療機構長寿・子育て・障害者基金」助成事業>

■日時:平成21年2月7日(土)、8日(日)
※集合7日(土)午後1時、終了 8日(日)午後4:00(予定)

■対象:日本手話の講師を目指す聴覚障害者・コーダ
※手話指導未経験者も可
※手話学習者は聴講生として参加可

■会場:ながおか市民センター202会議室
〒940-2108 新潟県長岡市大手通2丁目2番地6
JR長岡駅から徒歩10分

■主催:特定非営利活動法人H&Dエデュケーショナル

■参加費:5000円
※学生2割引
※手話学習者は3000円
※宿泊、食事代別途。宿泊場所は各自で手配のこと。

■定員
基礎コース(15名):初めて本セミナーに参加される方が対象です。
応用コース(15名):過去に本セミナーに参加された方が対象です。
※先着順です

■プログラム(予定)
○基礎コース
・【ワークショップ】手話指導などの悩み 意見交換
・【講義】手話の世界、ここが変だよ!
・【講義】日本手話とは?
・【講義】手話で手話を教える方法とは?
・【講義】手話講師の心構え
・【演習】手話を教えてみよう(体験)

○応用コース
・【ワークショップ】手話指導などの悩み 意見交換
・【講義】手話講師に必要な知識
・【演習】復習・表出トレーニングシラバス作成
・【演習】模擬講習会・評価

■講師:
日本手話会話スクール講師陣他

■参加申込:電子メールにて
【題名】育成セミナー参加希望
【本文】お名前、ご住所、受講生希望or聴講生希望、FAX番号と明記し
手話講師育成セミナー事務局
hdeducational@gmail.com
までお送りください。

※お申込み後、手話講師育成セミナー事務局より、セミナー詳細、お振込先等のご案内をメールにてお送りします。参加費のお振込みをもちまして参加受付といたします。
※電子メールのない方は、同内容をFAX(0258-36-3263)にてお申込みください。

■申込〆切:平成21年1月30(金)

■お申込み・お問合せ
特定非営利活動法人H&Dエデュケーショナル
手話講師育成セミナー事務局
e-mail hdeducational@gmail.com
電話 050-1398-2615
FAX 0258-36-3263

■主催 特定非営利活動法人H&Dエデュケーショナル
URL  http://www.hdeducational.com
blog http://hdeducational.blog13.fc2.com


●日記内「手話」関連記事

テーマ : 手話 - ジャンル : 福祉・ボランティア

タグ : 手話

「知る権利」「表現の自由」「公権力の介入」といった論法で、プライバシー侵害を正当化する連中

■旧ブログ記事「鑑定医起訴は当然として、著者不起訴は不自然」の続報(【関連記事】旧ブログ「草薙厚子,子どもが壊れる家」「調書がおすきな 草薙厚子先生」「調書がおすきな 草薙厚子先生2」)。

“少年調書漏えい、元週刊誌編集長「本に公共性なかった」”
 奈良県田原本町の放火殺人事件で少年(18)の供述調書などを漏らしたとして、刑法の秘密漏示罪に問われた精神科医崎浜盛三被告(51)の公判が27日、奈良地裁(石川恭司裁判長)であった。調書を引用したフリージャーナリスト草薙厚子さん(44)の著書が講談社から出版された当時、社内で唯一、出版に反対したとされる「週刊現代」の加藤晴之・元編集長(53)が弁護側証人として出廷、「本に公共性、公益性がないのが一番の問題だと思った。出版するべきではなかった」と述べた。

 加藤・元編集長は現在、同社学芸局次長。

 弁護側から、出版に反対した理由を質問されると、加藤・元編集長は「知る権利とプライバシーのバランスを欠いていたため」と話し、「結果として公権力の介入を招いた」とした。

 さらに、「草薙さんは情報源を明かしましたが、あなたはどうしますか」と問われると、「しません。情報源は必ず守らなければいけない」と答えた。

 石川裁判長が「本になる前に、あなたが担当していれば何をアドバイスしていたか」と質問。加藤・元編集長は「どこかで編集者がブレーキを踏む必要があった」と述べた。

 証人尋問の終了後、加藤・元編集長は「崎浜被告には無罪を勝ち取ってほしい。表現の自由を妨げるような判例を残すべきではない」と話した。

 講談社が設置した第三者調査委員会の調査報告書によると、週刊現代は、本の出版に先立つ2006年10月、調書を基に草薙さんが書いた事件の記事を、崎浜被告にチェックしてもらった上で掲載。一方、本は07年5月の出版前に、崎浜被告に意見を求めないまま、編集作業を進めた、としている。加藤・元編集長は、出版1週間前に宣伝記事の掲載を依頼されたが、拒否、出版に反対したとされる。

(2009年1月27日 読売新聞)

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テーマ : 刑事事件・裁判関連ニュース - ジャンル : ニュース

タグ : 草薙厚子

学位論文・学術書の知的誠実さ3

■「学位論文・学術書の知的誠実さ1」「」 は、特に「学術論文のたぐいは、古典芸能と基本的におなじだ。既存の伝統をひととおり 全部ふまえたうえで、「付加価値」を「独創」部分として提示すること。つまり、「伝統」との「異同」を明示するのが責務のはず」という箇所で、関係者が いたずらに 被害者意識をもったり、ギャラリーに誤解をあたえるそうな懸念もあるので、補足することにした。

■(1) 「学術論文のたぐい」と、あまりに ざっくりした ものいいをしたが、かなり誤解をよびそうな不適切な表現だった。■精確には、「学位論文のような体系性・網羅性を要求される学術作品のばあい」とすべきだった。そうしないと、文献表の「不備」「アンバランス」についての批判はあてはまるとは、いいきれないからだ。

■(2) するどい読者は おきづきとおもうが、膨大な著作を量産しつづける安田敏朗氏・小熊英二氏らの作品は、その主要著作すべてが、膨大な文献表・補注をともなっているが、それでも、それら文献表・補注は、完全に網羅的ではない。あれ、っとおもうようなモレが、注意ぶかく検討するとわかる(メッチャ マニアックな作業だけど。w)。■では、そういった モレ・アンバランスは、「反則」なのかといえば、そうとはいいきれない。なぜか?
■それは、それら力作が、凡百の学位論文を問題にしない学術的価値がある一方、あくまで人文書という一般読者を想定読者にふくんだ刊行物だからだ。いいかえれば、かれらの めまいのするような力作は、学界むけではなく、知的読者層むけなのだ(その証拠に、安田氏の著作群も、小熊氏の著作群も、5000円をこえる高額本はごくわずかしかない)。

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テーマ : これでいいのか日本 - ジャンル : 政治・経済

タグ : 大学真理省1984年

発がん性物質、都公表の115倍 築地市場移転先(朝日)

■築地市場の「移転先」にされている江東区豊洲の、汚染問題シリーズ(いわゆる「築地市場移転計画」問題)のつづき。直接には、「築地市場移転「14年度に」 都、予定地汚染除去に目途(朝日)」の続報。


”発がん性物質、都公表の115倍 築地市場移転先”
asahi.com 2009年1月26日3時0分

 東京都中央区にある築地市場の「移転先」にされている江東区豊洲の土地から極めて強い発がん性を持つ化学物質が公表値の115倍の濃度で検出されていたにもかかわらず、都が汚染対策を話し合う公開の専門家会議にその結果を報告していなかったことが分かった。会議の座長は「情報隠しと受け取られかねない」と問題視している。

 高濃度で検出された化学物質はベンゾピレン。都は07年5月、土壌汚染への対応のための有識者による専門家会議を開始。ここで同年11月、土壌1キログラムあたり最大5.1ミリグラムのベンゾピレンが検出されたと報告した。ベンゾピレンについての環境基準や指針は国内にはないが、会議の座長は「米国やドイツなどでは2ミリや3ミリがリスク評価のための基準」と発言している。

 都は、08年3月から改めて土壌汚染調査を実施し、同年6月末までにその結果を把握。同年7月の専門家会議で、それまでに測定されていた最大値を下回るか、増えても数倍程度のベンゼンやシアン化合物などの結果は公表したが、ベンゾピレンの結果には触れなかった。

 ところが、調査を請け負った業者が同年9月末に都に提出した報告書を朝日新聞が情報開示請求で入手したところ、ベンゾピレンの最大値は590ミリで、07年の最大値の115倍に達していた。検出個所は151地点あり、そのうち50ミリ以上が15地点、5ミリ以上も58地点あった。

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テーマ : 環境問題 - ジャンル : ニュース

「日本常識力検定」とやらが前提とする「常識」

■ご常連、貝枝さんのご指摘があったので、せっかくだから、「日本常識力検定」を、ネタとしてとりあげる。


日本常識力検定とは?

日常生活の中で、あまりにも常識が欠如している今日この頃ですが、いかがお感じになりますか。
一般的に「常識」と呼ばれているものは、私たちの日常や社会生活での潤滑油的役割を果たしたり、より豊かな人間関係を形成していく上で基本となるものです。しかし昨今では身勝手な振る舞いや会話などで、時には誤解を招きお互いが傷ついてしまう場合も少なくありません。
社会は常に進展、変革を求められ変化し続けています。それに伴い考え方、行動においても変化し、世代間格差が広がってきています。人と人、お互いが相手のことを考えて会話や行動をするときに、どんなに時代が変化しても、人間としては変わらないものがあるのではないでしょうか。その共通認識である知識や表現を再度「常識」として捉え直し、それらを統合した力(人間力)を「常識力」としました。そして、その評価基準の必要性を痛感し、日本常識力検定試験をスタートさせました。この検定試験を通じて、共感しあえる心豊かな人間社会の形成に皆様のご理解とご協力をお願いするとともに、一人でも多くの方が参加されますよう、心からお願い申し上げます。



常識は人間にとって基本的存在条件
文学博士 水口 禮治

日本常識力検定協会 代表理事
立教大学 名誉教授
東京総合心理研究所所長
人間同士で相互理解が円滑に行われるためには、共通基盤となる常識(common sense)が不可欠であります。常識はいつの時代でも、社会を生きる人間にとって基本的な存在条件であります。ところが、いま、その常識の欠如・喪失が著しく、親子間・世代間・対人間でのコミュニケーション(対話)が通じにくくなっております。価値多様な社会ではいっそう深刻になります。
そのため良識や公徳心に乏しく、しつけや社会性を欠いた奇異な行動が目立ち、社会を悩ませています。
こうした世相にあって、自分の常識がどのレベルあるかを診断することは、自己の位置づけを確認し、その自覚に基づいて自己啓発を図る手段として役立ちます。その意味で、この常識力検定は画期的な試みであると評価できます。

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■「日常生活の中で、あまりにも常識が欠如している今日この頃」って、どんな層にとっての「日常生活」をさし、また、だれの「常識が欠如」していると、発信者がいいたいのか全然不明ななか、「いかがお感じになりますか」などと、とわれても、こたえようがなかろう。■たとえば、「どんなに時代が変化しても、人間としては変わらないものがある」といった主義主張を、おしつけようといった、このての「常識」論が、とても普遍的なものとはおもえず、その意味では、こういった独善的な主張の唱道者たちの存在と、われわれのような見解をもつ層との断絶こそ、「どんなに時代が変化しても、人間としては変わらないものがある」といった主義主張の非普遍性をものがたっているとおもうが、「いかがお感じになりますか」?

■「常識の欠如・喪失が著しく、親子間・世代間・対人間でのコミュニケーション(対話)が通じにくくなっており…価値多様な社会ではいっそう深刻になり」というのだが、これは、普遍的であるべき共通認識なるものが虚像・幻想であるという現実を直視できないでいる、旧世代/保守層の無残な現状認識の水準を例証しているとおもえるが、「いかがお感じになりますか」?

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タグ : 常識検定試験

あやしい「漢字検定」

■まえまえから、いろいろあやしいとにらんでいたが、やっぱりあやしげだった、日本漢字能力検定日本漢字能力検定協会の実態があかるみにでつつある。


“「漢検、儲けすぎ」文科省検査へ” ブームで資産73億円

2009年1月23日7時22分
 漢字検定を実施している日本漢字能力検定協会(京都市)が、検定ブームで利益が過剰になり、所管する文部科学省から再三、指導を受けていることが分かった。受検料の値下げや公益的な支出に回す分が不十分で、税の優遇を受ける財団法人として不適切な疑いがあるとして、同省は近く立ち入り検査をする。

 協会は、毎年暮れ、京都の清水寺で「今年の漢字」を発表することでも全国的に知られている。

 漢字検定は、受検者が00年の158万人から、07年は272万人に急増している。文科省によると、04~07年度の4年間に毎年7億~8億円の利益が上がり、資産が約50億円から、73億5千万円になった。検定料は級ごとに異なり、小学校1年程度の10級は1500円、大学・一般程度の1級だと5千円。一方、経費は2千円前後という。

 財団法人の公益事業について、指導監督基準は、健全な運営に必要な額以上の利益を生じないように定めている。このため文科省が04年以降、3度立ち入り検査し、受検料を下げるか、公益事業に回すように指導してきた。

 協会は、1級の受検料を6千円から5千円に下げるなどしてきたが、ブームが続いてなおも利益が多すぎる疑いがあるとして、文科省は立ち入り検査を決めた。同省担当者は「悪意はないとみられるが、基準に抵触する可能性があるため」と話している。協会側は「事実を確認のうえ、今後の運営計画を立てたい。調査にはきちんと対応していく」とコメントした。(上野創)

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■「悪意はないとみられるが」だと、あまりに おひとよしな見解。というか、ロコツに業者よりな論理。



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タグ : 日本漢字能力検定協会漢検公益法人

学位論文・学術書の知的誠実さ2

前便つづき】

■議論のかぶりという意味では、小熊英二氏の業績群だけにとどまらない。
■たとえば、ましこ・ひでのり氏の文献は、編著の『ことば/権力/差別 言語権からみた情報弱者の解放』(三元社2006)だけがあがっているが、本書に直結するような議論があるとはおもえない。あがっていることが唐突で、かえって不自然な感じ(「言語権」とかで、一応関連してはいるが、本書の議論のために不可欠の文献ではない。単に、めをとおしたよ、というアリバイ的リストアップとしかおもえない)。
■「先行研究」等への言及のなかにも、ましこ氏の所論は、いっさい ふれられていない(「国語」概念の辞書的定義として、わずかに言及されている=p.403)。しかし、これは 実に不自然だ。すぐに関連性がみてとれる文献だけでも(上記『ことば/権力/差別』と別個に)3点もあるからだ。
■そのうち、あまりに問題意識がかぶっているとおもえる2点の目次の主要部分を版元のページから転写。

●『[増補新版]イデオロギーとしての「日本」 「国語」「日本史」の知識社会学』(三元社2003)
第1章 神学としての国語学/国史学――イデオロギーとしての「日本論」序説 017

1-1 なぜ国語科と社会科をとうのか 018
……

第2章 イデオロギー装置としての国語 031

2-1 「国語」とは,「日本語」とはちがうものか? 032
2-2 「母語」概念の再検討と「国語」概念 036
2-3 日本語教育からみた国語教育の不可解 042
2-4 イデオロギーとしての「国語」イメージ 047
2-5 「国語」の連続性神話の論理構造 061
2-6 標準口語文法という歴史的逆説 067
……
2-9 よみかき能力の「自明性」 123
2-10 言語学者の知識社会学――国語教育の背景としての「共通語」概念の機能 131
……
2-11 イデオロギー装置としての「国語」――小括 151

第3章 イデオロギー装置としての日本史155
……

第4章 イデオロギー装置としての学校教科と周辺知識をこえて 207
……
4-3 地域にとっての日常言語教育の意味再考 239
4-4 「連続性」神話をのりこえるために 244
4-5 知識社会学としての国語学/国史学がうきぼりにする,あらたな方向性 248

終章 沖縄諸島/非識字者を包囲する現行制度=われわれの日常意識/生活 253
……
終 章 2 国語教育/歴史教育周辺の動向 補遺 287

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タグ : ナショナリズム日本語言語政策

学位論文・学術書の知的誠実さ1

前便と ちょっとだけ関連。■ただし、沖縄記述というよりは、一時 ちょっとした スキャンダル騒動になった、マックス・ウェーバーの知的誠実性とかの話題。


“日本・ベトナム比較言語教育史” 沖縄から多言語社会をのぞむ
琉球新報2008年5月11日

 これまでの「国民」を形成する役割を担ってきた「国語教育」から、自己と他者の尊厳とことばを尊重しあい相互に豊かになっていく「ことばの教育」への脱構築を図ること。著者が近現代の言語教育史、それも日本とベトナムの比較という方法を取りながら、本書で一貫して行った主張は、そのようなきわめて現代的な課題である。
 著者は日本とベトナムの比較言語教育史として、地域のことば、民族のことばが「国語教育」の下でどのように扱われたかを分析している。具体的には、本書第I部で主に琉球処分から近年までの沖縄、第II部で第2次世界大戦後の独立国家樹立以降のベトナムにおける北部山岳少数民族に焦点を当てている。私が読み取った興味深い点をいくつか紹介しよう。第1は、琉球処分直後の八重山において地域社会には身体に根差した言語文化が広がっていたなかで、学校教育出立にあたり、生活と結び付いた話し言葉の矯正が導入されたことである(第1章)。第2は、復帰前後に儀間進が行った「沖縄口」で書くという実践は、未発に終わったけれども、沖縄語を大切にしながら日本語をも高めていく可能性を持つものであり、沖縄にはそのような財産があることである(第6章)。第3は、ベトナムにおいて、1990年代以降国民形成の一環として少数民族言語の教育が制度化され、民族語が継承すべき文化と位置付けられ、その継承のあり方をめぐって議論がなされていることである(第8章)。
 以上のように、ベトナムにおいて試行錯誤しつつある民族語を認め合う教育のあり方に注目しながら、沖縄における「国語教育」が儀間のような財産を持ちつつも標準語を単一言語とする実践であり続けたことを論じることによって、冒頭のようなメッセージを著者は発したのである。その際、全編を通じて、民衆の生活に根差したことばに対する尊敬に満ちた語り口で叙述が進められていることが、私にはきわめて印象的であった。現在沖縄各地において地域のことばを継承しようとする運動が盛んになっている流れに棹(さを)さして、本書は歴史的比較的な視点から貢献する一冊となるはずである。
 (近藤健一郎・北海道大学教育学部准教授)

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■近藤先生、琉球大の先生の博士論文の単行本化を地元紙で書評する、おたちばは、どんなものだろうか? いっさい批判めいたことをしないのは「お約束」としてだ、税込みで9450円という高額の書評をして、だれが参考にするのだろう? 沖縄県内外の大学や図書館関係者か?

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気色わるい沖縄論【加筆あり】=「ムダ」とはなにか44

■批判しないでおいてはまずい沖縄論については、旧ブログで たとえば「多田治,沖縄イメージの誕生」とか、いくつか かいてきた。高良倉吉さんら、当事者による“沖縄イニシアティブ”についての批判など、部外者としては、ですぎたマネまでね。

■実は、昨年、沖縄関連の重要な刊行物が たくさんでていて、このブログでも とりあげて当然のものが それこそ、めじろおしなんだが、最近、沖縄関連本をちょっとよんでいたら、実に気色わるい文章に、いくつも であってしまった。■なので、とりあげる文献が たくさんあるんだけど、気色わるさを清算するために、いくつか かきとめておこう。

■まずは、河原俊昭編『自治体の言語サービス 多言語社会への扉をひらく』(春風社)所収の、第8章 沖縄県の言語サービス政策についての一考察」(樋口謙一郎)という論考。■そこには、つぎのような一節がある。

 2000年には九州・沖縄サミット首脳会合を機に、沖縄市企画課が『明日に向かって―沖縄市・アメリカ交流の歴史―』というカラー冊子(パンフレット)を日本語・英語で発行した。沖縄市の文化、自然、芸能、教育、スポーツ、物産、沖縄の戦後史を幅広く紹介している。
 なお、同冊子中の仲宗根正和沖縄市長の言葉は、沖縄と米国との関係をよく示しているので、ここで紹介しておこう。



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体力・学力の地域差を問題視する視線

■いわゆる「学力」問題のシリーズ的記事。■「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」がらみの『産経』の特集記事を3本転載。


【体力テスト】“中学で女子3割、男子1割「運動せず」
 体力低下浮き彫りに”

2009.1.21 18:19
このニュースのトピックス:学校教育
 文部科学省は21日、全国の小学5年と中学2年を対象に昨年初めて実施した全国体力テストの結果を公表した。1週間にほとんど運動しない生徒が中学では女子の約3割、男子の約1割にのぼることが分かった。半数以上の児童生徒で、体力水準がピーク時の昭和60年度の平均値を下回るなど、改めて子供の体力低下が浮き彫りになった。都道府県別では、全国学力テストでも上位層だった秋田、福井が上位を占める結果となった。
 1週間の運動時間について、「ほとんど運動しない(60分未満)」と答えたのは、男子が小学生で約4万3000人(11%)、中学生で約3万6000人(9.4%)とほぼ1割。女子は小学生が約8万7000人(23%)、中学生で約11万4000人(30.7%)だった。
 一方、中学生では、男女ともに1週間に10~20時間前後は運動をしているという生徒が4~6割を占めており、ほとんど運動をしない生徒との間で体力に差が出ていることも分かった。
 しかし、全体的には体力低下が著しい。体力水準のピーク時だった昭和60年度の平均値と比べて、ソフトボール投げや50メートル走などの3種目で、小中学生ともに約7割の児童生徒の記録が下回った。

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テーマ : これでいいのか日本 - ジャンル : 政治・経済

タグ : 学力格差体力格差経済格差

「検索結果」を、パレートの法則と 「ロングテール」から かんがえる

■ふと、ときどき リンクもとのページ≒おおくはキイワード検索の結果に かなり おどろく事実。■このブログ記事や旧ブログが、異様なぐらい上位にくるGoogleの評価。

●「ムダとは
●「“志水宏吉”」「“効果のある学校”」「“鍋島祥郎”」「格差 受験」「文化人 知識人」「文化資本 経済格差 公教育」「学力 体力 経済 格差」「耳塚寛明」「マイフェアレディ 文化資本」「文学部唯野教授 エイズ 同性愛
●「内田樹 先生はえらい」「尾藤正英
●「“アイアンクレー”」「“赤い土”」「三重 環境事業団 ニュース
●「“岐阜県史問題”」「“柳川喜郎”」「御嵩町長襲撃事件
●「石原慎太郎 品性 知性 民度」「マラソン 迷惑」「おばあちゃん仮説 ババア」「神田知事 遺伝
●「安倍 コネクション」「下関市長 江島潔」「統一教会 行方不明」「韓国 行方不明 日本人女性 6500人
●「世襲禁止」「政治家 世襲 禁止」「民主党 世襲禁止 職業選択の自由
●「島懇事業」「軍事植民地 日本 沖縄 米軍 安保」「海兵隊 米軍再編 植民地」「沖縄 振興策 基地 リンク」「”沖縄イメージ”」「沖縄返還 密約 公文書」「吉野文六 日米核密約」「日米密約」「集団的自衛権 有識者会議」「pac3 射程」「しんぶん赤旗 ミサイル 防衛」「野村浩也」「日露戦争 ロジスティック」「豊川海軍工廠 空襲」「右派ナショナリスト
●「911やらせ」「“オーウェル『1984年』”」「真理省」「1984年 平和省」「1984年 真理省」「1984年 勝利ジン」「1984 テレスクリーン 装置 オーウェル」「1984 監視カメラ」「イースタシア オセアニア ユーラシア 超大国 1984年 オーウェル」「オーウェル エスペラント」「1984 オーウェル 村上春樹」「わが闘争 人種 黄禍論
●「複製技術 社会」「大衆社会 複製技術」「大衆社会 官僚制化」「マクドナルド アマゾン」「マクドナルド 将来性」「ジャスコ化」「自動車事故 死亡者 負傷者 統計」「自転車ベル」「自転車 ベル 歩道 道路交通法
●「原発震災 リスク」「原発テロ リスク」「ノドン 迎撃
●「祝日 意味」「憲法記念日 意味」「昭和の日 意味」「海の日 祝日 ハッピーマンデー」「こどもの日 意味
●「草薙厚子」「死刑囚 自殺」「人体の不思議展 主催」「変死 解剖」「力士 変死 犬山署」「大相撲 注射 八百長 ガチンコ」「接見内容 調書化」「徳島刑務所 暴動 名古屋
●「鶴彬 川柳作家 反戦 小林多喜二
●「大相撲 イデオロギー」「スポーツ イデオロギー」「体育 イデオロギー」「食育 イデオロギー」「”日本柔道界”
●「コンビニ 搾取」「コンビニ ロスチャージ 廃棄」「チャージ セブンイレブン 判決」「コンビニ弁当 処理方法
●「高学歴ワーキングプア 博士 失業」「ワーキングプア 実態」「“受注産業”
●「“社会言語学”」「社会言語学 書評」「社会言語学 障害学」「言語政策学会」「日本言語政策学会」「“安田敏朗”」「“辞書の政治学”」「クレオール 日本語」「日本語特殊論
●「“都内の出版社”」「“社会実情データ図録”
●「”人は見た目が9割”」「俗流若者論」「“マッツァリーノの法則”」「読みにくい名前」「ゲーレン 欠陥動物」「幼児図式 ローレンツ」「俗流動物行動学」「年齢差別 容姿差別」「パロディ 差別」「夕鶴 登場人物 性格」「童話 イデオロギー」「痴人の愛 ジェンダー」「晩婚化 非婚化」「やせ過ぎ女性比率の国際比較
●「インフルエンザ ヒステリー」「マングース 農業被害


■もちろん、これらキイワードや その くみあわせの ほとんどは、大衆的な関心とは対極にある。ものすごくマイナーな話題群(笑)。■でも、このブログや旧ブログが、Google検索の1ページ目にあがるというのは、やっぱり ちょっと びっくり。

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タグ : ハイパー独裁パレートの法則真理省1984年

国民動員時間

年末年始とか、大学入試センター試験とか、ここ1か月ぐらいで、いろいろあった「イベント」の「国民生活」における「比重」って、なんなんだろうと、ちょっとかんがえた。■ま、ネタとして しるしておく。

■たとえば、視聴率が40%台に達したとかいって、ちょっと 話題となった、年末恒例のNHK紅白歌合戦のばあい、1億2千7百万人とすると、約5千万人が4時間半ぐらい「動員」されていたという計算になる。これを、かりに、0.4×4.5=1.8国民時間とする。■おなじように「動員」力があるとすると、初詣か。2006年初詣参拝者総計、9373万人というのは、仏教・神道の信者数の合計みたいに、あやしいが、「ノーリツが2006年12月に行ったインターネット上のアンケートでは、初詣に毎年行くと答えた年齢層の割合は70歳以上が59.1%だったのに対し、20歳代では44.4%」といった調査結果をみれば、まあ平均して半数以上の国民が参拝しているんだろう。■平均してどのぐらいの時間をかけているかわからないが、まあ3時間とすると、0.5×3=1.5国民時間といった、あんばいか?
■帰省ラッシュの実態が数値的どうなのかは、よくわからないが、2000~3000万人ぐらいは移動していそうだし、ならして4~5時間ぐらいは時間をかけているんじゃないか? だとすると、0.2×4・5=0.9国民時間といったところか?
■してみると、大学入試センター試験は50万人ぐらいが受験し、国語・外国語は50万人弱、数学・地歴・公民が30万人台、理科が20万人前後らしいので(「センター試験受験者数・平均点の推移」)、2日間の平均移動時間を4時間とみると、500万人・時間≒0.04国民時間ということで、うえの みっつとくらべると、その国民的比重は、かなり ちいさそうにみえる。■しかし、これをへないかぎり、国公立大学には進学できないわけだし、私立大学だって、やすくたくさん併願しようとすれば、これを利用するほかない。その意味では、人口層はうすいんだが、ある年齢層、経済階層にとっては、やはり国民的行事なのだとおもう。大学入試なんて、無縁だっていう層にとっては、どうでもいいことなんだけど。

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植民地としての大学と大学人の自治権

富山大学発 日本の大学の危機(学長選考の異常さ)を全国に訴える会

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教職員の意向調査を無視した今回の富山大学の学長選考は
学問共同体としての大学に求められる
大学自治を蹂躙する暴挙である

全国の大学関係者のみなさんへのアピール

 昨年12月4日の富山大学学長選考において、富山大学学長選考会議(国立大学法人法の定める組織)は、その半数を占める学外委員を中心とする多数の力で、2回の教職員の学内意向調査(教職員による投票)でいずれも2割の支持しか得られなかった、第3位の現学長を再任しました。8割近くの教職員が不信任を突きつけた候補を、学長選考会議が、意向調査の結果を無視して学長に選出するようなことは、これまで国立大学では一度もなかったことです。私たちは、これは、単に一地方国立大学の問題に止まらない、国立大学法人法の下での今後の国立大学全体のあり方に関わる重大問題であると考えています。

 当然ながら、富山大学の中でも大問題になっており、12月10日には、人文学部人間発達科学部経済学部の教授会で、12月17日には、理学部教授会で、それぞれ教授会声明が出されています。12月26日には医学部教授会が要望書を、1月7日には薬学部教授会が要求書を、それぞれ提出しました。

 2003年に、多くの大学関係者の反対を押し切って制定された国立大学法人法は、各同数の、学長が任命した学外委員(経営協議会委員から選出)と、教育研究評議会が選出した学内委員で構成される、学長選考会議が学長を選考すると定めています。このように、国立大学法人法は、それ以前の、「教職員の選挙によって学長を選出する」という、大学自治を支える仕組みの根幹を突き崩したため、制定時の衆参両委員会で、「国立大学の法人化に当たっては、憲法で保障されている学問の自由や大学の自治の理念を踏まえ……自主的・自律的な運営の確保に努めること」という「国立大学法人法」附帯決議が採択されています。

 これを受けて、各国立大学が定めている学長選考規則では、東京大学京都大学のように、学内意向投票の「結果に基づいて」選考するように選考会議を縛っているところもありますが、他方で、富山大学のように、「参考にするために、本学の構成員の意向を調査することができる」と、「参考」に止めたり、意向調査をしないこともできる規定にされてしまっているところもあります。富山大学の学長選考規則制定過程では、「社長(学長)を選ぶのになぜ社員(教職員)が投票する必要があるのか」とか、意向調査の結果は「単なる参考だ」という学外委員の発言がまかり通ったのです。

 国立大学法人化後の学長選考では、滋賀医科大学、岡山大学、新潟大学、山形大学、大阪教育大学、高知大学、九州大学の7大学で、意向投票の第2位の候補を学長選考会議が学長に選ぶという事態が起こっています。しかし、これらの大学の場合は、せいぜい数十票の差で、富山大学のように、意向投票をまったく無視して、2割しか得票しなかった第3位の候補を選ぶという事例は、これまでありません。今回の富山大学の事態は、国立大学法人法の下では、学内意向調査を無視して、一握りの学長選考会議委員だけで学長を選考できるとする前例になるもので、今後、全国の国立大学に同様の動きが広がり、日本の大学における「大学の自治」とそれに支えられる「学問の自由」が一気に突き崩される危険性があります。

 富山大学学長選考問題が、単なる一地方国立大学の問題ではなく、国立大学全体、そして日本の大学全体における「学問の自由」、「大学の自治」に関わる重大問題であることをご理解いただき、「教職員の意向調査を無視した今回の富山大学の学長選考は、学問共同体としての大学に求められる大学自治を蹂躙する暴挙である」とするこのアピールにぜひご賛同いただき、下記のメール署名への署名とメッセージをお寄せいただきますようお願い申し上げます。また、このホームページのURLをお知り合いにご紹介いただき、富山大学で起こっている事態を、全国の大学関係者に広く知らせる取り組みにご協力いただきますようお願い申し上げます。

2009年1月12日

     富山大学発 日本の大学の危機(学長選考の異常さ)を全国に訴える会

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■実に異様な事態である。■メディアも一部はつたえている。たとえば『朝日』の記事。

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タグ : 大学の自治学問の自由

防衛省、特殊部隊派遣を検討 ソマリア沖海賊対策 武器使用高まる(中日)

■旧ブログで、何度もとりあげた、憲法で禁じられているとされる、自衛隊の いわゆる「駆けつけ警護」がらみの記事。『中日新聞』の、17日朝刊の1面トップ記事から。

“防衛省、特殊部隊派遣を検討”
 ソマリア沖海賊対策 武器使用高まる

2009年1月17日 朝刊
 アフリカ・ソマリア沖の海賊対策を求められている防衛省が、海賊に乗っ取られた船舶の解放を想定して、護衛艦とともに海上自衛隊の特殊部隊「特別警備隊」の派遣を検討していることが16日、分かった。特殊部隊の派遣により、海賊対策の実効性が増す一方で、武器使用の可能性が高まることになる。
 特別警備隊は、能登半島沖で起きた北朝鮮の工作船事件をきっかけに2001年3月、広島県の江田島基地で編成された。3個小隊約80人からなり、高速ボートやヘリコプターで工作船に乗り込み、武力で制圧する。
 政府は、日本関係の船舶を護衛艦がまとめて引率するエスコート方式をとる方針だが、船団から外れたり、個別に航行する船舶が襲撃されたりするおそれはある。防衛省関係者は、「そのとき『何もできない』では許されない」として、特別警備隊の活用が浮上した。
 防衛省の検討では、護衛艦に乗艦させる特別警備隊は1個小隊(二十数人)程度で、高速ボートも搭載する。護衛艦に搭載しているヘリも活用する。
 政府は自衛隊法の海上警備行動を発令して海上自衛隊を派遣する方針で、武器使用は正当防衛・緊急避難に限って許される。
 それでも相手が「国または国に準じる組織」だった場合、特別警備隊が救出に向かえば、憲法9条で禁じた武力行使となる「駆けつけ警護」にあたるが、政府は「国際法上、海賊は『民間』と規定されている。武力行使には当たらない」としている。
 しかし、救出をめぐって、多数の死傷者が出る事態になれば「世論が沸騰して麻生内閣が倒れる」との見方から、防衛省には「海賊対策を軽く考えるべきではない」との慎重論もある。

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■ふみこんだ解説記事を『毎日』から


“海賊対策:ソマリア沖・海自派遣、見切り発車”
 想定外の遠征、撃沈容認論も


 東アフリカ・ソマリア沖の海賊対策をめぐり、政府は当面、3例目となる海上警備行動の発令によって海上自衛隊を派遣することになった。ただ、特定の船、潜水艦の領海侵犯に対応した過去2例とは異なり、今回は遠洋への長期派遣になるのに加え、不特定の海賊から商船を護衛するのが任務。新たな部隊運営を迫られるが、政府・与党の議論は粗いままで、多くの課題を残した「見切り発車」になりそうだ。

 海上警備行動を定めた自衛隊法82条は、地理的な制約を明記していない。しかし、北朝鮮や中国の領海侵犯への対応を想定してきた防衛省内には「長期の海外派遣を実施するには82条の条文はスカスカ」(首脳)との違和感が広がっている。

 初の護衛任務、重装備の海賊を相手にする点など、異例ずくめの割に政府・与党内の議論が深まっていないことへの危機感もある。

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タグ : 駆けつけ警護世界の憲兵

「センター試験「英語」へのリスニングテスト導入の背景にある意図と目的」再考

■2年ちかくまえにかいた旧ブログ記事「センター試験:リスニング機器、性能劣るのを承知で採用(毎日)」の関連。

■導入されて3回目である大学入試センターの「英語(リスニング)」は、そろそろ、その妥当性を検証してもよさそうなころだろう。■大学の先生方が、どう評価しているのか、しらないが、(1) もともと「外国語」っていうけど、第一言語話者の受験をどうするの?(ウィキペディア「外国語の難易度と点数の扱い」)(2) 「外国語」ってひとくくりにするけど、英語以外と学習条件がエラくちがうのに、「同一レベル」かどうかとか、同一基準で、ホントにいいの?(各語学の平均点推移) (3) 英語以外の「外国語」は、リスニング課さないってことは、産業界とかがうるさいはずの「実用性」とか、とわなくていい、ってことね?(4) リスニング用再生機器の利権疑惑は どうよ?(「ICプレーヤー特需」) …などなど、おびただしい疑念がまきおこるはずで、実は放置されてきた、大学入試センター試験の「外国語」。■はっきりいって、名称としての「韓国語」って、ホントにそれでいいのか? なんて、高級な疑問は、どうでもいいような、巨大な問題だ(笑)。
■ちょっと ふるいデータだが、受験産業おおての、ベネッセの過去の記事が、ちゃんと消去されずにのこっているので、検証の土台にしよう。


●「リスニングテスト導入の意図を読み解く センター試験「英語」へのリスニングテスト導入の背景にある意図と目的を探る」〔「VIEW(ビュー)21 [高校向け]」(2004年2月号)Benesse教育研究開発センター

大学入試センター試験
2006年度よりセンター試験「英語」に導入される英語リスニングテスト。
その背景にはどのような意図と目的があるのだろうか。
文部科学省、大学の担当者へのインタビューから、
現在の検討状況を整理すると共に、
今後の英語教育への影響について考えてみたい。

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タグ : リスニング英語教育コミュニケーション能力特需

天災・人災、いろいろ記銘すべき1月17日

■ウィキペディア「1月17日」から

1893年 - ハワイ王国でアメリカ人が支援する革命が起こり、女王リリウオカラニが退位。カメハメハ王朝が倒れる。
……
1961年 - ドワイト・D・アイゼンハワー米大統領が退任演説の中で軍産複合体が国家におよぼす影響力について警告。
1966年 - 水素爆弾を搭載したアメリカのB-52爆撃機がスペインパロマレス沖でKC-135空中給油機と衝突、水爆を搭載したまま墜落(パロマレス米軍機墜落事故)。
1971年 - 精進湖で氷が割れ、スケート客9人が死亡。
1973年 - フィリピンのマルコス大統領によって新憲法発布、同時に戒厳令の無期限延長を発表。
1979年 - 第二次オイルショック
1991年 - 多国籍軍の空爆により湾岸戦争の端緒が開かれる。
……
1993年 - 陸上自衛隊にミサイル部隊発足。
1994年 - ロサンゼルスでマグニチュード6.8規模の「ノースリッジ地震」発生。
1995年 - 午前5時46分、「兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)」発生。
……
2006年 - ライブドア・ショック発生

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■単なる偶然のいたずらではあるが、天災・人災、すくなくない日のようである。すくなくとも、これらの事件のうち、人類がいますこしかしこければ、被害がかなりくいとめられたもの、愚行にいたらないですんだものが、いくつもありそうだ。
■たとえば、「阪神・淡路大震災)」をきっかけに制定された「防災とボランティアの日」という緊迫感のない命名は、なんだろう?■対照的に、全国で自治体や学校などが防災訓練など、さまざまな行事をくりかえしてきた「防災の日」は、単に「関東大震災」を教訓化するという意味だけでなく、制定前年の伊勢湾台風が意識され、9月1日ごろが、二百十日とかさねあわされていたそうだが、そんな歴史的経緯が、どの程度自治体や学校等に周知徹底・継承されてきただろうか…。
■まず、(1) 地震・津波のように、季節性がなく直前対策がたてづらいもの、(2) 台風などのように時期が予想され、事前に気象情報がつたえられるなど対策がたてやすいもの、(3) 戦災のように、どうみたって人災というほかないもの、これらは、整理して 危機管理がなされねばならない。
■さらに、(4) 行政組織の初動態勢の不充分さを、たとえば自衛隊への救援要請のおそさなどにしぼりこんで非難する論調があるなど(阪神・淡路大震災のばあいは、村山政権や兵庫県政が非自民系だった=実は、貝原県政は非共産党系準オール与党体制だったんだが=ことからだと推測される)、「防災のための軍隊」といった、治安維持的イデオロギーに、これら震災被害を援用する策動にも注意する必要がある。■たとえば、石原都知事の過去の暴言は、個人的責任にとどまらず、半永久的に記銘すべき汚点だろう(「自衛隊出動要請「遅れた」 阪神大震災で石原知事再び(共同)=マッチョでネオリベしか東京の首長になれないというが」「あきれた政治家とその「ブレイン」2=マッチョでネオリベしか東京の首長になれないというが8」ほか)。

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築地市場移転「14年度に」 都、予定地汚染除去に目途(朝日)

■「築地市場移転問題」「東京都/「築地メディアセンター」断念へ/16年東京五輪招致、市場移転の遅れで(日刊建設工業新聞)」の続報。


“築地市場移転「14年度に」 都、
 予定地汚染除去に目途”


2009年1月15日

 東京都は15日、築地市場を移転して開設する新市場について、2014年度の開業を目指す方針を固めた。移転予定地の土壌や地下水から大量の有害物質が検出され、汚染除去に1千億円かかるとみられていたが、工法を公募して586億円に圧縮し、除去に道筋をつけた。10年度に着工する予定だ。

 老朽化が進む築地市場は、江東区豊洲の東京ガス工場跡地約40ヘクタールへの移転が計画されている。しかし、都が08年に実施したボーリング調査で、最大で環境基準4万3千倍のベンゼンが検出されるなど、4122地点の4割近くで有害物質が見つかった。このため、移転には「食の安全」への不安や多額の公金投入に仲卸業者らから反対の声があがり、12年度開業の計画が先送りされていた。

 都は先送りに伴い、16年五輪招致にからんでメディアセンター予定地を市場跡地から臨海部に変更したが、移転は推進する構えだ。

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ガザ戦争で逆転する善悪(田中宇の国際ニュース解説)

■メールマガジン『“田中宇の国際ニュース解説”』の配信記事から【一部、かってにリンクを追加】。


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ガザ戦争で逆転する善悪
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 ガザ地区イスラエルとの間は、フェンスと地雷原が設けられた境界線によって隔離されているが、ガザの北端にある境界線からイスラエル領内を2キロほど北上した場所に「ヤドモルデハイ」という、牧畜と養蜂を営んでいるイスラエル人のキブツ(農業共同体村落)がある。ヤド・モルデハイは、ヘブライ語で「モルデハイを記念する」という意味だ。モルデハイとは、第二次大戦中の1943年にワルシャワのゲットー(ユダヤ人居住区)で、強制収容所送りに反対してドイツ軍に立ち向かう蜂起の指導者だったユダヤ人青年、モルデハイ・アニーレビッツ(Mordechaj Anielewicz)のことである。


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派遣業者依存社会の品格

■痛烈で軽妙な社会批評をつづける われらが “小田嶋隆”先生。■以前、はずしてますよ…系の、批判もしたが、基本的に正論をおかきだとおもう。■昨年末の秀逸な記事をみおとしていたので、わすれないように、記録しておく【一部、かってにリンクを加筆。秀逸なイラストなどは割愛】。


「ハケン切り」の品格
「派遣切り」(用途:労働問題を真面目に考えたくない際に)
2008年12月24日 水曜日 小田嶋 隆

 「派遣切り」という言葉が、いつの間にやらメディア頻出単語のトップに登り詰めている。

 奇妙な言葉だ。
 朝から何回も聞いていると、なんだかもやもやした気持ちになる。

「派遣を切ることのどこがいけないんだ?」

 と、当方にそういう気持ちがあるからだろうか。

 そうかもしれない。このもやもやは、「使用済みのペーパータオルを捨てたことを女房になじられた時の気分」に似ていなくもない。

「だってお前、ペーパータオルってのは、捨てるための紙だぞ」
「乾かせば使えるでしょ」
「乾かして使うくらいならはじめから布のタオルを使うんじゃないのか?」
「屁理屈言わないの」

 いや、私は、派遣労働者が解雇されることを喜んでいるわけではない。彼らをペーパータオル視しているのでもない。

 ただ、切られることがあらかじめわかっている者が切られつつある現今の状況に、しらじらしくもびっくりしてみせているテレビの中の人たちの口吻に、偽善に似たものを感じているわけです。

 そもそも原理的に言って「派遣社員」というのは、「切る」ための社員だ。企業の側からすれば、不況に直面した時にいち早く整理できるからこそ、派遣労働者を雇い入れていたはずなのだ。それゆえ、もし問題があるのだとしたら、それは、「派遣社員を切ること」よりも、「派遣社員という雇用形態を容認しているわれわれの社会」のシステムそのもののうちにある……はずなのだが、こういう時に正論を言ってもしかたがない。

 実は、正論はみんなわかっている。

 でも、どうしようもない。だから、「貸し剥がし」「雇い止め」「派遣切り」「内定切り」……と、新規に作成される不況関連用語には、常に情緒に流れた詠嘆の調子がつきまとうことになっている。みんな大変だね、手を貸してあげることはできないけど、同情してるよ、と。雨に濡れた野良犬に傘をさしかける感じ。でも、連れて帰るわけにはいかないんだ。ごめんよ……ぐらいな。

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大濱徹也『アーカイブズへの眼-記録の管理と保存の哲学-』(刀水書房2007)

■「公文書」関連記事の続報。
■まずは、出版社紹介ページから目次を転載。


【主要目次】
Ⅰ.国家を問い質す場 
  第1章 日本の公文書館―現在、問わるべき課題をめぐり―
  第2章 公文書館の責務と使命
  第3章 情報保存の現在―明日への扉―
Ⅱ.土地の貌たる器
  第1章 貌としてのアーカイブズが問われること
  第2章 記録を残す営み
  第3章 現在社会と公文書館
  第4章 証として記録―知の遺産を生かすために―
  第5章 地方文書館の保存と使命
Ⅲ.インテリジェンスの府として
  第1章 企業アーカイブズの世界
  第2章 大学アーカイブズが問われること
  第3章 アーカイブズ、図書館、博物館
おわりに―アーカイブズが地に根ざすために―

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タグ : 1984年真理省ハイパー独裁公文書アーカイブ

動物農場(アニメ版)

●『しらちゃん日記』(2009年01月08日)の記事を全文転載。リンクの大半は、かってに追加。


歴史は繰り返す。支配する者とされる者。その構造は変わらない、ただ・・・ 今、豚は太っていない。

半世紀前に『動物農場』がアニメ映画化されていたとは知りませんでした。映画を見るに先立ってジョージ・オーウェルの『動物農場』を読みました。今まで読もう読もうと思いながら読んだことなかったんですよ。もう20年も前のことですが、友だちがこの本を読んでいたところ「動物が好きなんですね」と言われたという話を思い出しました。

小説はとんでもない傑作だと思います。ただ、ネタとなっているソ連の歴史やスターリントロツキーなどの人物像を知らないと楽しめないとは思います。動物が支配権を握ったあと、革命リーダーの豚ナポレオン(=スターリン)に都合がいいように歴史が書き換えられていく様は圧巻でした。

映画ではそういったソ連を連想させる描写はかなりうすまり、映画のチラシのコピーの「歴史は繰り返す。支配する者とされる者」という普遍的な法則を強調した感じになっていたのがいいかもしれません。冷戦下の1954年、この映画は反ソの目的のためにCIAが資金援助したとのことですが、いまこれを見たらアメリカの腐敗を描写しているようにも見えるしね。

小説と映画では終わり方が異なりますが、小説は小説らしい終わり方。映画は映画らしい終わり方だと思います。これはいい脚色でしたね。三鷹の森ジブリ美術館が配給で宮崎駿がからんでいることもあってか、渋谷のシネマ・アンジェリカは若い女性が多かったです。楽しんでもらえたものと思います。

「今、豚は太っていない」ということばは宮崎駿がこの映画の公開に向けてコメントしたものです。人には貧しい生活をさせて、自分は肥え太る人を「豚」というわけですが、宮崎は言います。「セレブって豚のことでしょ。今、豚は太っていないんだよね、ジムかなんかにせっせと通ってスマートだったりするから」、的確すぎて恐ろしいコメントでした(笑)。


映画「動物農場」公式サイト
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■まぜっかえすなら、野生のイノシシが ふとってなどおらず、筋肉質であるように、イノブタであろうが、ブタであろうが、ヒトに食用として肥育されない以上、不必要に脂肪がついたりはしない。肥育されたブタのばあい、四川大地震の際「36日ぶり豚救出 体重150キロ→50キロに」なんて、わらっていいものか 微妙な現象さえおきるが(『中日新聞』2008年6月26日)。
■ひるがえって、ワーキングプアほか イヌ・ネズミを はしらせて、バブリーな投資・消費生活をくりかえす、「セレブ」連中は、19世紀のブルジョアらのように脂肪をためこまないのは、ごくあたりまえ。搾取された労働の産物が脂肪やチャラチャラ・ドレスに転化するか、高級スポーツジムやサプリメント、高級マンション・高級車などに転化するかは、それこそ流行次第。
■それと、より陰惨で、監視社会がもたらす非人間性もあわせて告発した作品“1984年”と、どちらを優先して再読すべきなのか 微妙なところ。■いや、権力闘争の愚劣さは、『動物農場』で、“監視社会”は『1984年』で、“管理社会”は『華氏451度』と、それぞれ焦点を 別個にあてて作品の含意を未読すべきなのかもしれない。“ハイパー独裁”は、権力による情報管理がみえなくなっている複合的なシステムなのだから、単発の寓話では対抗しきれない。


●旧ブログ「オーウェル」関連記事
●日記内「オーウェル」関連記事
●旧ブログ「やせ過ぎ女性の比率の国際比較(社会実情データ図録)
●旧ブログ「若い女性、終戦直後よりスリムに(朝日)
●旧ブログ「あやしいメタボリック症候群騒動3

●「2008/12/20より「動物農場」ロードショー!」 『1984 blog』( 2008/11/29 20:30)
●「オーウェルのブログが開設された」 『1984 blog』(2008/09/22 23:58)
●「ブッシュのアメリカは、なぜオーウェルの「1984年」に似ているのだろう ―」『1984 blog』(2005/09/08)
●“http://orwelldiaries.wordpress.com/
●「森井教授のインターネット講座 第438回 監視社会」(asahi.com マイタウン徳島 2008年10月02日)

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生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム45

■「生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム44」の続報。


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     世界の環境ホットニュース[GEN] 704号 09年01月11日
     ……

          毒餃子事件報道を検証する【第43回】
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毒餃子事件報道を検証する    原田 和明

第43回 これまでの事件のまとめ

 福岡県で発生した餅菓子への殺虫剤混入事件は、福岡県警が被疑者死亡のまま書類送検しましたが、福岡地検 飯塚支部は不起訴処分としました。(2008.12.27 朝日新聞・福岡版)警察と検察の関係から言って 予定通りの決定だと思われます。これで、自殺されたとされる元従業員(当時45)が実在の人物だったかどうか確認する手段がひとつ消えてしまいました。

 ところで、2008年2月22日に、第1回の「毒餃子事件報道を検証する」の連載を始めたときは、まさかこの連載で年を越すことになるとは想像もしていませんでした。これまでにとりあげた事件は、毒餃子事件との関連は明らかではないままに、茶系飲料(東京、兵庫2)、コーヒー(東京)、ジュース(兵庫)、餃子(中国)、カップ麺(各地)、餅菓子(福岡)と多岐に及ぶことになりました。

 食品偽装事件が頻発する中で、「有機リン系農薬」、「死ぬことはないが、何がしかの症状が出る濃度(一日許容摂取量の数倍程度)」、「警察とマスコミの協調による情報操作」、「対中(または東アジア)外交」などをキーワードにして、関連する事件とそうでないと思われるものとを選別してきました。事件が長期化し、全体の流れがわかりにくくなってきましたので、一連の事件をまとめてみます。(毒餃子事件関連のできごとを<>で、有機リン系農薬は●非有機リン系農薬は○で表示しました。)


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タグ : 毒餃子事件報道を検証するナショナリズム食品安全真理省警察

新潟で産廃から放射性廃棄物缶/環境影響なしと日本原電(四国新聞)

"新潟で産廃から放射性廃棄物缶
/環境影響なしと日本原電”

『四国新聞』2009/01/10 20:01


 日本原子力発電は10日、「日本原子力発電(株)東海発電所」「放射性廃棄物」の文字と放射性物質を示すマークが記載されたドラム缶1本が、新潟市西蒲区産業廃棄物処理施設で投棄されているのが見つかったと発表した。

 中に赤っぽい液体状の物質が入っていたが、放射線測定の結果、周辺環境への影響はなかったという。同社は捨てられた経緯などを調べている。

 日本原電によると、新潟市が昨年12月19日にドラム缶を発見。同社には経済産業省原子力安全・保安院から今月9日に連絡があった。

 茨城県東海村東海原発で放射性廃棄物を入れる同型のドラム缶は黄色だが、見つかったのは緑色。日本原電は以前に緑色のものを発注したことがあるか調査している。

 ドラム缶には廃棄物を入れる際に記載する7けたの管理番号が書かれておらず、同社は中身が放射性廃棄物である可能性は低いとみている

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■当局からのタレながし記事。こういった「ぶらさがり記事」ばかりかいていると、確実に腐敗するね。■「中身が放射性廃棄物である可能性は低いとみている」とかいった、ふざけた発表(だって、「7けたの管理番号」がないとすれば、「放射性廃棄物」以外のものにも、おなじドラム缶をつかっていたっていたかもしれないっていう、ずさんさが、露呈したわけだ)は、「極秘」マークを乱発する、アホな官僚と同様、危険なドラム缶が、どれだかわからなくなるリスクをふやしていた体質をうらがきしている。■「無害な廃棄物に危険マークをうっかりつけてしまった」ぐらいの気分らしいが、危機管理能力が欠如しているという自覚がない。

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アイヌ民族など先住者を利用する政治家

■だいぶまえの記事だけど、大事な情報なので、コピーしておく。


アイヌ民族「北方四島にも先住」
 中曽根外相が見解表明

2008.10.09 Thursday 新聞記事 20:05 comments(0) trackbacks(0) by namako
北海道新聞より記事の転載です。

◆アイヌ民族「北方四島にも先住」 中曽根外相が見解表明(10/09 07:19)

 中曽根弘文外相は八日の衆院予算委員会で、アイヌ民族について「日本列島北部周辺、とりわけ北海道に先住する民族と認識している。『北部周辺』には北方四島も含まれる」と述べた。アイヌ民族が北方四島についても先住民族であるとの見解を政府が公式に示したのは初めて。

 新党大地鈴木宗男代表への答弁。河村建夫官房長官は、北方四島を除く千島列島サハリンに関しては「アイヌ民族が先住民族であるかどうか判断する立場にない」と述べるにとどめた。

 鈴木氏は「北方領土の返還も『この島はアイヌ民族が先住民族。アイヌ民族は日本国民だから島を返して』というアプローチが(ロシアに)できる」と主張した。

 衆参両院は今年六月、「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」を可決した。

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■何年もまえからというか、“日本には少数民族はいないと失言した鈴木宗男”代議士が、「一転して新党大地の副代表にアイヌ民族女性」にすえたころから、これは早晩政治利用されるとはおもっていたが、アイヌ民族をめぐる政治性は、かなり きなくさい性格に変質した。■おそらく メディアの大半はもちろん、国民のほとんどは、その政治的意義について全然無自覚だとおもう。
■ちなみに、「北方四島を除く千島列島とサハリンに関しては「アイヌ民族が先住民族であるかどうか判断する立場にない」」という、セリフは、歴史学的にはナンセンスな責任のがれにすぎない。千島列島とサハリンには、アイヌ民族など北方少数民族が先住者として実在していたことを否認できる歴史家など皆無だろう。そして、そこに和人やロシア人たちは、絶対に先住者としては、実在しなかった。

タグ : 真理省ナショナリズム1984年ハイパー独裁

かなり まともな日本語論

■昨年くれに、更新がおわってしまったブログ『テルセロ tercero』は、なかなか まっとうな 言語論を展開していたことを発見。■本務が超多忙で、コメント欄の応答さえできない状況なので、きょうの更新は、この広報だけで、おしまい。

●「日本語は世界でどれくらいの人気なのだろう」(2008-12-06)
●「『日本語が亡びるとき』は読まず、『つくられた日本語、言語という虚構』を読みました」(2008-11-20)


■こういったブロガーの文章は、もっとよんでみたかった。残念。

派遣村「真面目な人なのか」発言 ネットでは擁護論目立つ(Jcast)

“派遣村「真面目な人なのか」発言
 ネットでは擁護論目立つ”

2009/1/ 6
いわゆる「派遣切り」にあった労働者を支援しようと、年末年始に東京・日比谷公園に開設された「年越し支援村」をめぐり、思わぬ「場外乱闘」が発生している。坂本哲志総務政務官(自民、衆院当選2回)が、派遣村について「本当に真面目に働こうとしている人が集まっているのか」と苦言を呈したところ、野党が猛反発。翌日には、発言の撤回・謝罪に追い込まれた。ところが、ネット上では、「ホームレスと派遣の線引きはどうするのか」「本当に大変なの?」などと、発言を擁護する声もあり、坂本政務次官の「孤立無援ぶり」とは、少々様相が異なっている。

「戦術、戦略が垣間見えるような気がした」
派遣村は2008年12月31日から1月5日にかけて日比谷公園に開設され、主催者発表では499人が「入村」した。1月2日夜から1月5日朝にかけては、厚生労働省の講堂も寝泊まりの場所として開放された。

ところが、「閉村」とほぼ同時期に行われた坂本政務官の発言が、大きな波紋を呼んだ。坂本政務官は1月5日の総務省の仕事始めのあいさつで、

「年越し派遣村、日比谷公園の情景を見るとき、これは本当なんだろうか、本当に真面目に働こうとしている人たちが、こうやって日比谷公園に集まっているのかなぁ、という気もいたしました」
と、「派遣村」のあり方について疑問を呈した。さらに、

「(集まった人が、厚生労働省の)講堂を開けろ、もっといろんな人が出てこい(と言っていた)。何かしら、学生紛争の時の『学内を開放しろ』『学長出てこい』という戦術、戦略が垣間見えるような気がした」
と続けた。これに対して野党側は一斉に反発。例えば、翌1月6日朝のTBS系情報番組「朝ズバッ!」に出演した共産党の穀田恵二国対委員長は、発言を引き合いに

「本当に国民が苦しんでいる、ということに心を寄せていない内閣」
と批判。連日、派遣村を応援に訪れていた社民党の福島みずほ党首も、同番組中で

「自殺を図って、お巡りさんに助けてもらって派遣村に来た人もいる。もちろんホームレスの方もいましたけど、その(ホームレスになる)前に雇用を失っている。派遣切りの人も一定(数)いるんですよ。あの発言の『この人たちは働く気があるのか』というのは絶対に許せない。みんな『命をつなげるか』というレベルで生きているんです」
と、語気を強めた。

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大阪府幹部が知事メール相次ぎ削除、「公開対象」報告受け(読売)

■「『1984年』的空間から脱皮するのか?(「公文書館」問題)」の関連記事。■昨年末の『読売』の記事から。


“大阪府幹部が知事メール相次ぎ削除、
「公開対象」報告受け”


12月26日7時15分配信 読売新聞

 大阪府の橋下徹知事が府政運営に伴う指示や連絡に使っている電子メールについて、府情報公開室が「公開対象の行政文書として扱う」と判断し、庁内会議で報告したところ、幹部職員らが公用パソコンに保存していた「知事メール」を相次いで削除していることがわかった。

 府の行政文書管理規則では、メールを保存対象として想定しておらず、削除しても法令上の問題はないが、専門家らは「情報公開制度が骨抜きになりかねない」と指摘する。ネット時代に対応し切れていない同制度をめぐる実情が浮かび上がった。

 知事メールは、行政運営の迅速化を目指す橋下知事が重要案件に関する指示や伝達事項を記載し、幹部らに直接送信している。思いついた施策の検討を求めるなど、就任直後から多用されているという。

 府民から情報公開請求を受けた同室は、知事が各部長らに一斉送信していることから、「組織的に管理している文書にあたり、情報公開条例に基づく公開対象になる」と判断した。

 今月19日、庁内の各部次長による会議に同室長が出席し、「数件の情報公開請求を受けている」としたうえ、知事メールが公開対象になったと説明。会議後、保存していたメール削除の動きが幹部の間で広がった。

 出席者の一人は「なるべく早めに削除しなければならないと受け止めた」と説明している。

最終更新:12月26日7時21分

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■執務中にかわしたメール全部が公文書あつかいとして、自動的に保存されるのは、アメリカの大統領府ぐらいだという、はなしもある。■だから、公文書という概念が不徹底な、野蛮国日本において、こういった野蛮な対応がでてくるのは、充分予想できた。
■しかしである。大阪府という地方政府のなかでかわされたメール群は、基本的にすべて公文書にほかならない。■もちろん、それらすべてが公開可というわけではないし、全部が永年保存にあたいするものとは到底いえないだろう。しかし、すべて、関係者の一存で消去してよいといった判断がまかりとおるなら、行政過程の透明化は、永久に不可能になる。■各行政組織が、廃棄処分にする公文書の選定方法を規格化し、恣意的にすてたりしないようにしてきたように、電子メール情報だって、かってに すてていいものじゃない。
■それにしても、「知事が府政運営に伴う指示や連絡に使っている電子メールについて、府情報公開室が「公開対象の行政文書として扱う」と判断」した、ってのは、どういう根拠からなんだろうね? 全部公開対象なんて、できっこないことは、あきらかなのに…。不可解だ。

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