■旧ブログの「
生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム1」「
2」の続編。■いわゆる「
餃子に農薬」騒動をネタに。
■騒動の概要としては、つぎの一連の記事が、なかなかまとまっている。
●「
ギョーザに何が起こったか」
●「
毒ギョーザとフェアトレード」
●「
「安くて安全」のカラクリ」
■ブロガー
mugendai氏ものべるとおり、「安く安全」なんて、つごうのいいハナシが なりたつはずない。食材が安価に調達されるというのは、単に労働単価がひくい地域から「輸入」した みかけ上の「安さ」であって、地球全体・人類全体の中長期的なコストという意味で「安く」ついているわけではない。■
マクドナルド化(
McDonaldization)は、微視的にはサービス労働と その研修過程をふくめた管理労働を全面的にマニュアル化=低コスト化するが徹底追求されるが、巨視的には食材調達の無国籍化が徹底追求される。そこに(長期的な健康面もふくめた)安全第一とか地球環境全体への中長期的配慮なんて、あるわけない。■トヨタの
Kaizen運動が、労働者や関連企業からの合理的収奪の徹底ではあっても、けっして予定調和的な共存共栄ではないように、マクドナルドなどの外食産業が徹底化した合理化はサービス労働と提供物調達の低コスト化は徹底しても、労働者本位と消費者本位の合理化追求にはならない。■なぜなら、株主(投資家)がよろこぶような収益増大・株価向上こそが、経営陣の至上命題であり、中間管理職や前線指揮官(店長や各種監視員たち)のノルマだからだ。
■逆にいえば、安心・安全を確保したければ、コスト削減を徹底しない「上品な商売」空間で、かなり わりだかな商品を購入するしかない。だから、日米でわきおこった蔑視をともなった中国製品バッシングがはじまるずっとまえから、生活保守主義にたつ富裕層は、「安全を 妥当な価格」でてにいれる姿勢を明確にうちだしていた。■そこにあるのは、(学歴主義や階級差別などがからんだ)文化資本の格差を前提にした、大衆蔑視なんだとおもう。民族差別といった次元でなく、国籍に無関係な階級差別・身分差別ね。
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