■Wallerstein氏が、今月下旬から、[
詭弁学]というカテゴリーで、連載記事をはじめた。■ウィキペディア「
詭弁」の記述を参考に、おそらく「だましのテクニック(詐欺)にあわないための自衛」作業を展開しているのだとおもわれる(矮小化しすぎていたら、失礼。)
■ハラナ個人は、ほとんど関心がない。というか、こういった、しろうとむけの論理学系の啓発的記述で、さえたものにであったことがないからだ。■おそらくそれは、単なる不勉強、ないし こちらの はやとちりなんだろうが、ともかく、「一向にオツムがスッキリした体験がない」というのが、実感だ。失礼ないいかたをあえてするなら、「数学・哲学周辺のかたがたは、おそろしく こむずかしいことにとりくんでいるあまり、われわれ門外漢を啓発する能力を消失させてしまっているのではないか?」とさえいいたくなる。
■Wallerstein氏がとりあげている、「
前件否定の虚偽」とかもひどい。
A「反撃される覚悟が無いなら、苛めなんてやるな」
B「なら反撃される覚悟があれば、人を苛めて良いって事になるな」
Aの発言に対するBの返答は「XはYである。故にXではないならYではない」という形式の論理であり、これは論理学で前件否定の虚偽と呼ばれる。このタイプの推論は、XとYが論理的に同値の時のみ成立する為、恒真命題ではない。Bの発言は、「セイウチが脊椎動物だというのなら、セイウチでなければ脊椎動物ではないという事だ」と同じ論理構造である。これはBとしてはAの発言を「セイウチだけが脊椎動物である」と解していることになる。
なおこの虚偽は、仮言的三段論法においても適用される。「もしAがBならば、AはCである。しかしAはBではない。故にAはCではない」は、前件否定の虚偽となる。「AがBならば」という仮定をX、「AはCである」という結論をYと置けば、「XならYである。Xではない。故にYでもない」となり、前件の否定を前提とする論理となるからである。 続きを読む »