誤認逮捕でペルー人男性に謝罪=別の容疑者浮上、報告せず―再捜査で無実・茨城県警7月15日22時9分配信 時事通信
茨城県警は15日、窃盗などの容疑で牛久署が1月に逮捕したペルー国籍のイチノセ・アキラさん(41)=神奈川県大和市=について、誤認逮捕だったと発表し、同日イチノセさんに謝罪した。
茨城県警によると、窃盗事件は昨年9月、同県阿見町の居酒屋で発生。現金約2000円が入ったレジ1台などが盗まれた。牛久署は今年1月27日、現場に残されたレジの小銭入れにイチノセさんの指紋があったことなどから逮捕した。
イチノセさんはレジ製造工場で働いていたことを説明し、「茨城には行ったこともない」と容疑を否認。水戸地検土浦支部は2月、嫌疑不十分で不起訴とした。
しかし、イチノセさんは周囲から「あいつは窃盗で捕まった」などと中傷されたため、弁護士に相談。弁護士は水戸地検に対し、不起訴処分となった容疑者に対する補償制度(被疑者補償)の適用を申請し、再捜査を求めた。
同地検と県警が再捜査したところ、千葉県警八千代署が窃盗容疑で逮捕した別の男が阿見町の事件を供述、自供に基づきレジ本体が見つかっていたことが判明。八千代署は牛久署にこれを伝えたが、牛久署の担当者は県警本部に報告していなかった。また、レジはイチノセさんが製造したものと分かり、水戸地検は今月13日、「犯人でないことは明白」として、不起訴理由を「嫌疑なし」に変更した。
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最終更新:7月15日23時3分------------------------------------------------------
■盗癖など依存症でないかぎり、窃盗犯は貧困層からうまれる。売春同様、すきこのんで、稼業にする層は例外的だ。■したがって、刑事学的には、窃盗犯予備軍として、貧困層に警戒的な態勢をとることが合理的にみえる。が、しかし、貧困層のごく一部しか窃盗犯にはならない。確率的に、窃盗においこまれる層がおおく、人口比で少々おおいということにすぎない。
■一方、今回の事件は、日系南米人への偏見が介在しているとおもわれる。日系人は、失業等生活にこまっているだろういった先入観だ。被差別部落出身者に ぬれぎぬをきせて、岩窟王化させてしまった、
狭山事件と同様、警察のがわに、差別意識にねざした、憶測がはたらいて捜査ミスにつながったと推定できる。■労働市場における弱者としての日系人をくるしめている当事者たちと、単に治安等の維持につとめている警官とは、実際なんら関係のない集団なのだが、こと おなじ日本人であることに着目するなら、両者は、貧困層になかばおいこむことに共犯的な関係(コストカットした製品をうりかいする生産者と消費者)であり、同時に「連中は貧乏だから、犯罪にはしっても不思議ではない」といった偏見も共有しているのではないか?
■したがって、水戸地検だって、当初から不起訴にしていたから問題なしなのではなく、警察の偏見にもとづいたずさんな捜査に影響されて「嫌疑不十分」といった、あやまった判断をくだしたことを謝罪すべきだろう。「当時は、充分な証拠があつまらなかった」といった、いいわけは この際、意味がない。■うしなわれた時間と、そこなわれた信用と、つみかさなった心労と、そういったものを、金銭的に補償するというのは、最低限の次善の策でしかなくて、はずべきことなのだから。
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